読書をするとき、ただ漫然と読みはじめている人はいませんか。もちろん、楽しむときの読書はそれでもいいのですが、限られた時間で本を読まなくてはいけないとき、いくつかの方法を加味することで読書のスピードや吸収力が一気に加速します。
今回は新著『頭がいい人の読書術』(すばる舎)から、読書テクニックをお教えします。
読書の際に大切なことは、著者の立場に立って読むことです。つまり「妄想」です。妄想で解釈に深みを持たせることができます。
人はそもそも、妄想をする生き物です。美術館に行って作品を鑑賞しながら妄想したことはありませんか。映画のパンフレットを見て妄想したことはありませんか。
いま、この本を手に取られているということは表紙を見て何かを「妄想」したからですよね?あなたの目の前に茶碗があったとします。この茶碗を、アメリカ、フランス、中国、エジプトなど、各国の人が見たら茶碗をどう感じるでしょうか。
フランスの人ならカフェオレを入れる容器に見えるかもしれません。なかには、植木鉢と思う人がいるかもしれません。
相手の立場に立って考えること、つまり、「著者の立場になりきって読む」ことはこれと同じようなことです。
本も同じです。小説にしても読み方や解釈は読者の自由です。著者の狙いがすべての読者に伝わるわけではありません。本の読み方に「正解」はありません。それでも、著者に寄り添い感じながら読むことで自分なりの解釈が生まれてくるはずです。
解釈はたくさん本を読んだほうが引き出しが増えることになります。いろんな角度から、本を楽しんで読めば、速く、深く、読むことができます。
あなたが、心を豊かにする1冊に出会えることをお祈りしています。
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尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
16作品目となる『頭がいい人の読書術』(すばる舎)を出版しました。出版後すぐに重版。amazon・読書術、図書館情報学2部門ベストセラー1位(2/14現在)。