残念ながら、令和2年度一般会計予算特別委員会の出席は叶いませんでしたが、常任委員会という都政の部局別事業を審査する委員会でも別途「予算調査」を東京都議会はしておりまして、所属する公営企業委員会(水道局、下水道局、交通局)の調査が一昨日終わり、昨日意見開陳を致しました。
争点はやはり天下り問題
水道局は、その本局含め「外郭団体」(小池都政となり「政策連携団体」と昨年改名)「東京水道サービス」(TSS)を含めて平成24,26,30年と談合、汚職、公正取引委員会の指摘、特別監察と不祥事が後を絶たず、かねてよりお姐は指摘を続けております。
それだけでも由々しいというのに、なんと!!
そのTSSの新社長に昨年4月に、小池百合子衆議院議員(当時)の私設秘書であり、知事当選後は税金で報酬が支払われる東京都知事特別秘書に野田数氏が就任。特別秘書でありながら、都民ファーストの会の代表を務め、公認権をふりかざし隠然と政治的権勢を公職にありながらふるっていたことを、私は都民ファーストの会立ち上げメンバーとしてつぶさに見ており皆様にお知らせしていた次第です。
リストラするなら特別顧問より年収1.4千万円特別秘書が先?!
今度は都外郭団体へ天下り!?~止まらぬ小池知事の野田数氏重用~
野田数元特別秘書2年勤務で退職金190万円也!~全額返金の監査請求提出される~
そこで、お姐は、野田新社長の説明責任を求めて委員会招致を求めていた次第です。
4月より合併される水道局外郭団体TSSとPUC。これからの水道事業をどうするか、民営化は時代の趨勢としても、独占、寡占化を妨げなければならない課題もあります。
また、公営企業として、数々の不祥事談合を繰り返しきた組織風土を改めずして、民営化など進められるわけもありません。その、一里塚となる、TSSとPUCの合併にあたっては、都民の生命、健康に直結する公営企業事業の一端を担う重大な使命を持っているわけですから、市場のどの民間企業より高い透明性、高いコーポレートガバナンス力、マネジメント力、コンプライアンス力が問われるのです。
残念ながら、この度の予算調査では、
・合併する東京水道株式会社社長就任予定の野田数氏もおいでにならず説明もない。
・コンプライアンス委員会はその内容は非公開、ブラックボックスで都民には開かれていない。
・入札にかかる「東京都水道局指名業者選定委員会」は水道局幹部職で公正されるのに出席率8割で、否決はった一件で修正はゼロ。
これでは毎度水道局長が都度説明するような
・民間に委ねられる業務は可能な限り民間に委託
・基幹的業務につきましては、局と政策連携団体が担う一体的事業運営体制を構築し、公共性の確保と効率性の発揮を両立させながら事業を進める
・今後給水収益の減少や施設の老朽化による支出の増大が見込まれる中、将来にわたり持続可能な事業運営を実現するためには経営基盤を強化する
なんてぇことを令和の大合併ともなる東京水道株式会社の新社長が都民の代表にキチンと説明する機会も設けず、むしろどうやって実現するのか不思議!
改めて野田数社長の委員会招致と、どうしたって来ないのであれば公営企業委員会の公式管内視察で東京水道株式会社の視察を強く求めたわけでございます。
公営企業のレゾンデートル
公営企業会計は適切な準公共財の供給による効率的な資源配分が求められます。少子高齢化に伴い膨らみ続ける福祉費と今般のコロナ問題で間違いなく激減するであろう、都が依存している法人二税を鑑みれば、一般会計から繰り入れがあることを当然視するのではなく、予算調査でも指摘しましたが、公費負担の軽減をシビアに考える令和の時代に突入たのであります。
このことを念頭に置いて新年度予算の調査に当たりましたが、小池知事による東京大改革の変質とともに、その意識が理事者において低下しつつあるのではないかとお姐は危惧しているのです。
私が、水道局・下水道局・交通局に共通して求めたのは以下の通りです。
・各局において、一般会計及び特別会計の健全財政の徹底、努力をすること。
・財政の安定性を担保するため、金利の状況も鑑み、企業債残高を削減していくこと。
・固定費・委託費の圧縮に努めること。
・コンプライアンス有識者委員会の情報公開と、委員選考の透明化を進めること
・懲戒、行政監察により、服務事故等に迅速に、かつ分限処分も辞さない厳格な対応をすること。
・東京都政策連携団体・事業協力団の派遣職員数、都OBの再就職を随時検討、適正化し、固有職員の定着率を高め、都関係者職員との賃金格差をなくし、費用対コストを常に念頭に入れ、団体の存在意義をただしていくこと。
・「政策連携団体」の再委託を抑制し、局から直接民間事業者へ直接発注する等の検討を行い業務内容を確認し効率性を重視しコスト軽減を図ること
・入札契約、特命随意契約、少額随意契約等全ての契約について、その適正と辞退理由をも精査し、競争性、透明性を担保すること。
・職員団体、労働組合事務所については最小限のものとし、適正な賃料を有償で徴収すること。
・労働組合事務所の使用については、都民の公共財産であることを鑑み、就業時間中に組合活動を行わない、政治、政党活動をしない等厳格かつ適正に運用されること。
・台風の被害を受け災害、震災対策において、施設面と災害時対応の強化、非常電源の安定的確保等、最適な防災環境整備を図ること。
・災害対策に当たっては、インターネット、ICTを利活用し、即時性と多言語対応を進めること。
・全庁挙げて、新型コロナ対策に取り組むこと。
・TSSとPUC統合に当たっては、東京水道(株)の社長は必要に応じて都度議会への説明責任を果たよう促すこと。
*****
公営企業は、住民の福祉の増進を図りながら、経営面では独立採算制という公営企業法の精神にのっとり、堅実に経常収支の均衡を実現しなければなりません。
世界最速で高齢化が進行する日本、東京において、長期的な利用者の伸びは今後期待できない中、企業債起債残高(平たく言えば借金)の減少、多額の累積欠損金と長期債務の解消が迫られております。
改善努力は理解するものの、さらに厳しく明確な削減数値目標を設定し、具体的計画を持って解消に向けた取り組みをしていかなければ、民営化はもちろん「公営企業」の存続はできるはずもないのです。
お姐総括!
かねてより野田数氏の「実績」について、民間経験は出版社に極めて短期間勤めただけで、ほぼ社会人経験はない。当然、企業経営の経験もなく、また、教育学部卒であり、経歴を見ても、東村山市議を二期途中、都議も途中で退職しただけで、あとはずっと政治畑にいらしたように、コーポレートガバナンスにおいても、水道技術においても、全く専門家であるとはとても思えない。
日常業務における技術的なアドバイスや確認、改ざんなどの不正行為は、水道局に長らく勤めていた局長(通例元局長が社長に就任していた)だったら見抜けると思いますが、こうしたことは、野田新社長のこれまでのキャリアで可能なの?
昨年、6月14日付都政新報において「日本版水メジャーの土台をつくる」と大風呂敷を広げてまして、そうだとすれば海外技術系企業トップは、、PhDやMBAホルダーが当然で、語学堪能は大前提な中、対等なディスカッション、交渉が野田社長にできるの?
と議事録の残る場で質しておりました
そして最近、ランチを食べながら読んでいてお姐が噴出した記事が(笑)
「実績」につき「都民ファーストの会を設立し軌道に乗せた。組織をゼロから立ち上げることや立て直しの実績がある」と語られてます。
世界に冠たる水道技術を誇る東京都水道局、そのパートナーである「政策連携団体」(外郭団体=天下り団体)の社長の実績が「都民ファーストの立ち上げ」では、都民はどうしたって納得はいかないどころか、理解不能でしょう。
ちなみに、増子敦前社長は、前職は、水道局長で「工学博士」で。北海道大学工学部卒、昭和52年入庁以来ずっと技術畑を歩まれてました。
「水メジャーの土台」も担当部長の説明によれば「志」だったそうで、何をどうしたいのかやっぱり本人に聞かなきゃわからない!!
東京水道株式会社野田数社長、ぜひ都議会にいらしてください。お待ちしております♪
おいでにならなければ公営企業公式視察、それも叶わなければ個人視察にお邪魔致します(^▽^)/
編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2020年3月19日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。