お別れはいつも突然やってきて、すぐにすんでしまう。志村けんさんがなくなった。コロナ感染にも驚いたが、あまりに早い死に驚愕している。
生まれて初めて好きになったエンターテイナーがザ・ドリフターズであり。中でも、志村けんが好きだった。「8時だョ! 全員集合」が好きすぎて。幼い頃は土曜にお出かけするたびに「8時には家につくのか?」と母親に問いただした。渋滞して間に合わなかったときにはひたすら泣き叫んだ。
その後の志村けんはちゃんと追っていたわけではない。ただ、熱心なファンでなくても、いつもテレビの向こうにあなたがいて。何かこう安心できた。
バカに徹しているようで、繊細さとか、緻密さとか、厳しさとか、優しさが垣間見られ。プロを感じたエンターテイナーでもある。バカ殿ではなく、天才宰相ではないかと感じることもあった。
80年代後半だったか。『BURRN!』にもインタビューが載ったことがあり。いかに音楽が好きか、しかもかなりマジなリスナーであるかが伝わってきた。ザ・ドリフターズに加入したのも、もともと音楽をやる集団だったからという話をどこかで読んだ気がする。
最後まで仕事の鬼であり、プロであると私は勝手に感じていた。病気を克服して「だいじょうぶだぁ」と叫んでほしかった。
ありがとう、志村けん。
人類はコロナと向き合い、この困難を乗り越えることを祈っていて欲しい。そのとき、私たちは天のあなたに向かってこう叫ぶだろう。
「だいじょうぶだぁ」と。
合掌。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年3月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。