地面師問題と積水ハウスの4人組独裁体制

宇佐美 典也

ども宇佐美です。
前々回前回に続き積水ハウスの話です。

今回は積水ハウス内部で築かれている地面師問題4人組の独裁体制についてです。まず復習なのですがこれまでの記事で述べた通り、また以下の図で示すように、現在積水ハウスはいわゆる地面師に騙されて五反田の70億円の土地の偽売買契約を進めた、阿部、稲垣、仲井、内田(敬称略)の役員4人組がなぜかみな出世をして、代表取締役の地位を得ています。

これは確定した事実で、詐欺師に騙されると役員が出世するという意味で積水ハウスは真に珍妙な会社なのですが、このように代表取締役の地位を固めた4人組は着々と独裁体制を築き上げているようです。

その象徴的な話が「取締役規則変更事件」です。先日散歩をしていましたら、また空から不思議な文書が降ってきまして、2018年(地面師事件後)に改訂された積水ハウスの取締役規則でした。

上の画像は積水ハウスの取締役会規則の抜粋です。いうまでもなく取締役会というのは会社の運営において最大の権限を有する会議体です(積水ハウスの場合は上画像右)。この取締役会の運営方式を定めた積水ハウスの取締役会規則には非常にユニークな点があります。それは取締役会招集権者と、取締役会議長が別々に実名で特定されていることです。上画像から具体的な条文を引用すると以下の通りです。

・取締役会は阿部俊則取締役がこれを招集する
・取締役会の議長は稲垣士郎取締役がこれにあたる

専門家に聞いたところ会社法上取締役会の招集権者を特定することは許容されているが、取締役会議長も併せて別人物を特定するというようなことは上場企業では聞いたことがない」とのことで、やはりこれは異例なことのようです。ただまぁそれも当たり前の話で、取締役の招集権者と議長は二大権力者ですから、その両者を特定するようなことがあれば、取締役会を事実上二段構えで自由に操れるも同然ですから、普通の上場企業はやらないようです。普通の会社はね。

このようなわけで今積水ハウスは

  • 地面師案件の決裁ラインにいた役員4人が代表取締役の地位を独占している
  • 地面師問題当時の社長(阿部氏)が取締役会の招集権者として、当時の副社長(稲垣氏)が取締役会議長として、取締役会規則で特定されている

という二つの意味で異常な事態にあるようです。やはり積水ハウスでは「地面師に騙されると出世する」という謎の人事評価軸でもあるのでしょうか?…と茶化してる場合ではなく、積水ハウスのような我が国を代表する企業がこのような状況にあるというのは我が国のコーポレートガバナンス上由々しき問題であると個人的には思うところです。

その辺もあってこれを問題に思う積水ハウス内部から(私も含め)各地にリーク情報が飛び交っているようです…。積水ハウスのガバナンスは大丈夫なのでしょうか…。

ではでは今回はこの辺で。