最速で「現金」を生活支援として届けよ!マイナンバーを活用し、実質給付になりえるスキームを本気で考える

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

突如として降って湧いた「布マスク2枚を全国民配布」という飛び道具に惑わされつつ、医療政策は医療政策として、目先の困窮を救済する生活支援策を考えなければなりません。

一律の現金給付が速やかに行われるのがベターではありますが、仮に「一律」であったとしても2~3ヶ月かかるのであれば目先の「生活支援」にはならず、別の方法を模索する必要があります。

【注】
とはいえ、昨日のブログで示した「政府小切手」などの可能性もありますし、時期が遅れても「経済対策・景気浮揚策」としては現金一律給付に期待できるので、それはそれとして政策案としては放棄せず検討・提案を続けます。

そこで、松井一郎市長のアイディアを元に、かつて敏腕官僚であった足立康史代議士が一晩で考案したスキームがこちらです。

名付けて、正式名称は「無利子無担保 100%政府保証 事後マイナンバー紐付審査 給付切替 生活資金貸付制度」(とのことですが、名前は覚えなくて大丈夫です)。

社会福祉協議会(社協)が窓口となってすでに実施されている「生活福祉資金貸付制度」を拡大するものですが、ポイントは民間金融機関・貸金業者を活用して迅速な現金支給を行い、さらにはマイナンバーを用いることで返済を免除し、実質的な給付にできるという点です。

藤田議員が評価する通り、スピード・効率・公平性のすべての面でベストと言える政策案です。

概念のみをすごく簡略化すると、こちらの図に(音喜多事務所作成、とある委員会で使わなかった幻のパネル…)。

順を追って説明していきましょう(番号は足立議員作成資料の内容に準ずる)。

Step①~② 保証の認定

利用者(国民全員が対象)は地方自治体に「保証」のみ申し込み、承認を受けます(ここは場合によっては、郵送やWEB登録で完結することも考えられる)。

Step③~⑤ 融資

保証の承認を受けた利用者は、お近くの金融機関・貸金業者に「融資」を申し込みます。

後述する通り、この融資は100%政府が保証し、地方自治体が代位弁償するので、貸し手側が断ることはありません。

窓口を少しでも増やすために、法令を遵守している消費者金融まで活用することも考えられます。

現金の取り扱いには慣れているため、役所や社協から現金を受給するよりスムーズに済むはずです。融資の内容は例えば

・月10万円を上限(1年程度か?)
・無利子、無担保、無保証人
・返済まで最大3年程度の据置期間(返済猶予期間)あり
・コロナ終息後、生活再建に伴い返済を開始
・ただし、債務者の資力に応じて返済を減免

ということで、返済をする人は返済して終了ですが、最後の「減免」がポイントです。

Step⑥~⑦ マイナンバーの活用、返済金額の減免

利用者はマイナンバーカードを申請し、収入・資産と紐付けてもらいます。その利用者の所得状況次第で、地方自治体は返済を免除

このハードルを高めに設定すれば(例えば年収500万以下世帯は返済不要など)、相当数の人々に「事実上の給付」として現金を支給できます。

マイナンバーカードを申請し、収入・資産との紐付けを行わなければ、当然この減免措置は申請できません。そのため、マイナンバーシステム普及への強烈な推進力になります。

Step⑧~⑨ 政府による100%保証で、事業者&自治体負担なし

利用者の返済を減免した場合は、代わりに地方自治体が貸し手である金融機関・貸金業者へ貸付金を返済します。

その後、政府が地方自治体に負担分を全額交付するので、地方自治体の負担もありません。

長くなりましたが、以上のように

・迅速に幅広く現金を支給できて
・マイナンバーカードとシステムを普及し
・バラまきにならずに事後調整できる

という、一石三鳥とも言える仕組みとなっています。

安倍総理が本気で「必要な人たちに、迅速に必要な分を」届けたいのであれば、到底、現在の生活福祉資金だけではまかないきれません。

少し後の経済政策(減税や真水の政策投資)とはまた別に、我々は提案型野党の矜持として、こうした具体的な政策パッケージを示し、国会論戦を建設的に進めて参ります。

維新の緊急提言第四弾についても、進捗は随時ご報告していく次第です。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年4月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。