呼吸するだけでコロナウイルス感染が広がる!?

中村 祐輔

GOV.UK:編集部

今週のScience誌の最新ニュースとして「You may be able to spread coronavirus just by breathing, new report finds」というタイトルの記事があった。

米国の科学アカデミーが、まだ議論はあるとしながらも、新型コロナウイルスの空気感染の可能性を示唆したとのことだ。これまで、咳やくしゃみなどによる飛沫感染や接触感染が感染経路だとされていたが、

Harvey Fineberg (Emerging Infectious Diseases委員会メンバー)という方が、「Though current studies aren’t conclusive, “the results of available studies are consistent with aerosolization of virus from normal breathing”」(結論が出るには至っていないが、これまでの報告の結果は普通に息をすることでウイルスがエアロゾル化されていると考えて矛盾がない)ことを大統領の科学政策担当のKelvin Droegemeierに書面で伝えたそうだ。

日本の専門家たちはエアロゾル感染には触れようとしない。しかし、これがあれば、手洗いでは防げない事態となる。日本での感染者が増えない理由として、日本人は清潔を保つ習慣があったのでともっともらしく言われているが、米国に計11年以上暮らした経験では、米国人と比較して、そんなに大きな差があるとは思えない。咳を腕やひじの内側で受け止める咳エチケットは、日本よりしっかり習慣づけられている。PCR検査数が少ない現状では、感染者数の推移を正確に把握していると考えるのが普通ではないのか?

不思議なのは、日本医師会、東京都知事、大阪府知事などが緊急事態宣言を求めているのに出さないことだ。コロナ感染患者の治療だけでなく、すでに、その他の疾患の患者の治療に対しても影響が出ているにも関わらずだ。

2月初めからマスクの供給を確保すると言った末に、各世帯にマスク2枚を配ると言ったことには、多くの国民がずっこけた。海外のメディアからも笑いものになっている。しかし、「マスク、マスク、マスク」がこの顛末では、笑えない世紀の愚策。しかし、誰がこんなことを思いついたのだ???

そして、WHOの「テスト、テスト、テスト」の言葉を受けて、厚生労働大臣や総理大臣が目標値を掲げたにもかかわらず、この実態はどうしたのだ。潜在的に感染している人が100倍に増えれば、それに比例して重症患者が100倍に増えるはずだ。どうして、早い段階で「テスト、テスト、テスト」を実行して抑え込みに成功している(ように見える)韓国に学ばないのか?

感染爆発一歩手前と思っている人は少ない。多くの国民は爆発したと思っている。

「民信なくば立たず」が政治ではないのか?

Why、why、whyだ。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年4月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。