C・W ニコルさんがご逝去された。環境問題に実戦を伴いながら真摯に取り組まれ、僕らは様々な影響を受けている。今から6年前、僕は、自民党で「FCVを中心とした水素社会実現研究会(現:水素社会推進議員連盟)」を立ち上げ、実務責任者である事務局長に就任し、水素エネルギー社会を推進する活動をしていました。その際に「関係者の、関係者による、関係者の為の水素社会」にしないために、水素のことを良く知らない多くの方々に水素エネルギーを理解してもらいたい、そのために水素の本を書くことにしたのです。
当時は、水素エネルギーに関する書籍は少なく、あったとしても予備知識がないと理解することが難しい、専門家向けの書籍がほとんどでした。
僕がつくろうとしていたのは、普通の人、エネルギーにこれまで関心が無かった人に何かを感じて欲しい、といった入門の為の入門書でした。それが「水素たちよ、電気になーれ!」という書籍でした。インフラから、医療・健康、食生活にいたるまで、水素がどんな風に実社会の中で、貢献することが出来るか、多くの方にイメージを伝えたかったのです。
書籍が出来上がり、発売になる際に推薦のコメントをくれたのがC・W ニコルさんでした。「読んでいると、なんだか希望が湧いてくる」と..。僕にとっては、最適な方にコメント頂くことが出来て、当時、本当に喜んだことを思い出します。
「水素たちよ、電気になーれ!」推薦 C・W ニコル(作家)
僕は75歳になるが、毎朝水素水を飲んでから1日を始める。おかげでとても体調がいい。福田さんのこの本は、おもに水素エネルギーについて書いているが、確かに、水素は地球に無尽蔵に存在する元素だし、水素から電気エネルギーを取り出す際の〝燃えカス〟もきれいな水だけ。とてもクリーンで自然の恵みといえるエネルギー源なのだ。読んでいると、なんだか希望が湧いてくる。もっと長生きして、原発も要らない「水素社会」がやってくるのを見てみたいという気持ちになる。
地球環境問題は、これから更に重要になってきます。人が人として、生きていくために。動植物が種として生き残っていくために。環境問題をほっておくと、結局、力の弱い国・地域、種族、社会的弱者が最初に直撃を受けることになるのです。つまり地球環境問題は、社会の格差を広げる要因になりえるということです。
C.W ニコルさんが考えていたこと、行動してきたことを僕らは次の世代に繋いでいかなくてはなりません。長生きしてもらって見てもらいたかった「水素エネルギー社会」を実現することが、僕の役目だと思っています。ご冥福をお祈りいたします。
編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2020年4月5日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。