今回の新型コロナウイルスで、経営が厳しくなっている企業や、収入が減っている国民も多くいます。
そこで4月7日、政府は緊急事態宣言の発令と同時に、緊急経済対策を発表しました。
すでに2月に検査体制や水際対策を含む第1弾、3月に雇用や観光業などへの対策を含む第2弾を出していますから、今回が第3弾ということになります。
実は、緊急経済対策とは法律で規定されているわけではなく、状況にあわせてそう呼んでいます。ですから、景気対策として毎年、政府が補正予算を組んでいる経済対策と同じです。
通常は秋の臨時国会か、1月に召集される通常国会でその年度の補正予算が組まれます。今回は始まったばかりの令和2年度の予算が3月に国会で成立をしていますが、その直後の年度初めに補正予算として組んで、国会で議論し成立させましたので、まさに緊急経済対策と言えます。それだけ企業経営や国民生活が逼迫をしているからということで、当然、国全体の経済停滞も確実です。
今回の緊急経済対策の総事業費は108兆円となっていて、これは日本のGDPの2割に当たる過去に例がないほど大規模なものです。例年の経済対策なら20兆円台、リーマンショック後でも56.8兆円でしたから、今回はその時の倍に相当する規模です。
経済対策を語るときに、よく「真水」という表現が出てきます。「真水」とは、政府が予算で支出する金額のことです。経済対策には、公的金融機関からの融資なども入っています。例えば、リーマンショック後の経済対策では56.8兆円のうち、真水は15.4兆円でした。
今回の場合は、納税や社会保険料の支払いの猶予などの26兆円が含まれているため規模が大きくなっているとも言えますが、あらゆる政策を総動員しているということでもありますが、いずれにしても「真水」の額も39兆円と史上最大になっています。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。