心がけるべきは“人との接触を避けること”

先週7日に政府が緊急事態宣言を発令し、10日には東京都や神奈川県が休業要請を出しました。

緊急事態宣言発令後の初めての週末、私も基本的には自宅にいましたね。
週末はテレビを見ている時間が長かったです。夜は大河ドラマの「麒麟がくる」を見て、その後NHKスペシャルの「デジタルVSリアルー第二回 さようならプライバシー」、これは結構ゾッとする内容でしたね。ニュースは1日を通していっぱい見ました。

それから、昼間には久しぶりに「新婚さんいらっしゃい!」を見ました。60代後半のバツサン男性とバツイチ女性のカップルトークで笑いました。「新婚さんいらっしゃい!」を見終えてから1時間半ほどお散歩に行きました。山下公園に行ってみると、散歩の人や縄跳びをしている親子など、それなりに人がいました。

一方、ベンチは結構空いていましたし、人と人との間隔は十分取られていました。ところが驚いたのは近隣の飲食店ですね。カフェもファーストフード店もほぼ一杯で、さらには行列ができていました。またカフェの場合は、お客さんは減っているのだと思いますが、スペースの半分はお客さんが入れないように封鎖していたので、狭い店内でむしろ満席でした。これでは意味がないですよね。

昨日、中チャンスタッフと打ち合わせをしていたら、彼が住んでいる近所の品川区戸越銀座商店街も、いつもより人は少ないけれども、それでも人手があったことと、さらに驚いたのは、狭い居酒屋で昼飲みをしている人たちが沢山いたことだということです。

東京都は居酒屋を含む飲食店、料理店、喫茶店などへの協力要請をこういうふうに出しています。

・社会生活を維持する上で必要な施設
・飲食店(居酒屋を含む)、料理店、喫茶店 等(宅配・テークアウトサービスを含む)
※営業時間の短縮については、朝5時から夜8時までの間の営業を要請し、酒類の提供は夜7時までとすることを要請(宅配・テークアウトサービスは除く)

ということで、どうも朝5時から夜8時までは営業してもいいし、夜7時までなら酒を出してもいいという解釈がされてるんじゃないかなと思いました。たしかに、あくまでも協力要請ですからその解釈も間違ってるとは決めつけられません。しかし、人々も「飲みに行くのであれば昼間だ」と考えているのではないかと心配してしまいます。

ちなみに、中チャンチームではある調査を昨日の午前中にしてみました。例えば、キャバレーやナイトクラブの中には昨今、朝や昼に営業しているところもあります。ということで都内および近郊にあるそれらのお店、30件に電話をしてみました。すると、およそ半数が朝や昼に営業をやっていることがわかりました。

この様子を見て「やはり」と思いましたね。居酒屋でもそうですが、昼なら感染拡大しないということではありません。今取り組もうとしていることは、人が密集する場面、密接すること、これらをやめましょうということです。さらには、接客業と言われる飲み屋さんの場合、主に女性が隣についてお酒を飲みながら話すのをやめましょうということです。

4月6日の段階で東京都は居酒屋に休業要請をする予定だったのに対して、政府は「夜の繁華街の接客を伴う飲食店の利用自粛」と夜の繁華街を強調しました。また、社会生活を維持する上で必要な施設というのを政府は重視をして、その中に居酒屋も含めました。政府と都のすり合わせの結果、10日に東京都の発表した休業要請から居酒屋が外れました。

私は、結果的に政府の誤ったメッセージ、というか「そう理解すればいいや」という人を増やしてしまったように思います。すなわち「飲みに行くのであれば昼間だ」という感じです。もちろん居酒屋が悪いと私は言っているわけではありません。今、我々が心がけるべきは3密を避けること、人との接触を避けることです。お酒を飲むことが悪いということでもありませんし、お酒が全部駄目と言ってるのでもありません。

でも今は、宅飲みにしましょうよ。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。