10万円給付:野党と公明、二階さんが手を組むと大抵は実現できそう

早川 忠孝

財務省には財務省なりの大義があるのだが、財務省がいくら大義を振りかざしても政治には勝てないことがある。

本当に実現するのかどうか半信半疑でいるが、新型コロナウィルス対策協力金か何かの名目で国民一人あたり10万円の給付金支給制度が実現しそうである。

NHKニュースより編集部引用

財政規律を一時的に棚上げしてのバラマキ政策には違いないが、悪評ふんぷんの1世帯あたり30万円給付制度よりは遙かに分かりやすく、国民にはアピールするだろうと思っている。

一番最初に言い出したのか、確か国民民主党の玉木さんのはずだが、共産党も一律10万円支給案を提唱していたようだし、公明党も同様の提案をしていた。

野党の皆さんが何を言ってもそう簡単には国の政策が変わることはないのだが、政権与党の公明党と自民党の二階幹事長が歩調を合わせると、それまでとても実現しそうになかった政策が一挙に実現可能な政策に変貌してしまうのだから、やはり政治の力は大きい。

野党の皆さんは、自分たちの力ではとても実現出来そうにないと思っておられることでも、これが国民にとって絶対に必要だ、これが正しい、と思われることだったら、遠慮なく堂々と主張されることである。

霞ヶ関の論理からは実現不可能な提案だということになっても、永田町の論理はちょっと違う。
政治家は世論に敏感だから、世論が動けば永田町が動く。

今回は、公明党と自民党の幹事長の二階さんが永田町と霞ヶ関を動かすことに成功したようである。

いずれ若い世代の方々の負担として跳ね返ってくるに違いない給付金支給制度だが、しかし、今はそのくらいのことをしないと困窮している方々を救えない、ということだろう。

ダイナミックに政治が動いている。
悪いことではない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年4月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。