トランプ大統領は14日、複数の州で4月末までに外出禁止関連措置を解除するだろうと発言しました。クドローNEC委員長は前段階で、政権が解除に向け指針を表明するとも言及。トランプ氏は13日に「(経済活動再開を決定する)権限は私自身にある」と宣言したように、正常化へ向け歩み始めつつあります。
その一方で、外出禁止関連措置を講じる州知事は正常化に向け動き始め、10州の知事は13日に連携を発表済み。民主党のクオモNY州知事の呼び掛けでスタートしたこともあって、同党知事を擁する北東部と西部の州が並び、10州全体のGDPで全米の38.3%を担います。以下が10州となり、()内2019年末時点の全米に占める各州GDPの割合となります。
▽北東部
NY州(8.1%)
ペンシルベニア州(3.8%)
ニュージャージー州(3.0%)
マサチューセッツ州(2.8%)
コネチカット州(1.3%)
デラウェア州(0.4%)
ロードアイランド州(0.3%)
▽西部
カリフォルニア州(14.6%)
ワシントン州(2.8%)
オレゴン州(1.2%)
このうち、カリフォルニア州のニューサム州知事は14日、経済活動の再開をめぐり6つの指針を表明しました。同州は、州全域としては初めてとなる外出禁止措置を3月19日に決定していたことでも知られます。
気になる6つの指針は、以下の通り。
・地域社会を感染拡大から守る上で検査、接触者追跡、隔離、感染者支援などの体制が整備されているか
・高齢者や既往症をもつ人々の感染並びに感染拡大を阻止できるか
・病院など医療システムの体制に、患者急増や流行再発などの備えはあるか
・治療薬、ワクチンなど開発並びに普及へ向けた進行具合
・学校、職場で感染防止に役立つ対人間の距離を保てるか、そのための備えはあるか
・外出禁止措置の再開などを決定する上で、正確なデータを活用しているか、あるいは地域社会に迅速に情報伝達する手段を有しているか
指針といっても、やはり解除時期などタイムテーブルを示す内容ではありませんでした。ただし、上記の指針が示すように外出禁止措置の解除後、早急に正常化する見通しにはないと強調。ニューサム知事が「電気を点灯するスイッチを入れるというより、調光器で徐々に明るくさせていく」と例えるように、レストランなど飲食店の稼働率抑制、街中でのマスク着用などの対応を求める可能性を指摘しました。
カリフォルニア州では3月中旬以降の新規失業保険申請件数が200万件を超え、既に同州の労働人口の11.2%を占める状況。その一方で、新型コロナ感染を封じ込めねばならず、多数の感染者を抱える州と同じく厳しい舵取りが迫られます。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年4月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。