10万円の給付は国民から歓迎されている。素直に喜んでいるし、その意味で、気持ちが明るくなる効果は大きいかもしれない。
しかし何に使うのかと聞いても、ろくな答は返ってこない。最近のニュースでうんざりだったのは、JRAの売り上げが対前年比で増加したというニュースだ。4月18日の中央競馬は無観客開催となった2月29日から初めて開催全場で、売得金が前年比プラスとなったそうだ。
中山競馬が前年比105.6%、阪神競馬が同103.5%、福島競馬が同117.1%、中山グランドジャンプは前年比2.4%だ。
世界的にオンライン・ゲームが大活況
ゲーム業界も活況のようだ。10万円入るのでネットのゲームで思う存分遊べるとわくわくしている大人や子供にもかなりの頻度出会う。
ただし、この方面にあまり詳しくないので、ジャーナリストの清原勇記氏がFacebookに書いていた記事をベースに以下述べてみる。
このゲーム業界の活況は世界的なものらしい。ロックダウンまでしたアメリカ合衆国をはじめ欧州諸国で著しくゲーム機器売上及びネットゲーム課金増加傾向にある。
GamesIndustry.bizの調べによると、ヨーロッパ・中東・アフリカ・アジアの約50カ国の主要ゲーム会社16社のデジタルダウンロードゲームの売上調査が与える影響の分析として、第12週(3月16日から同22日まで)に430万本のゲームが販売されたが、前週比で63%急上昇であり、我が国の任天堂新作「あつまれ どうぶつの森」が市場で人気を博したことや、デジタルダウンロード版が支配的であることを分析している。
また、GAMEwatchの記事では、Nielsen(Nielsen Games)の調べでゲームのプレイ時間が世界的に増加していることを発表した。同調査では、フランス・ドイツ・英国・アメリカ合衆国における3000人を対象にビデオゲームに関する調査(3月23日~同29日まで)で、1週間ゲーム時間が増加したこと明らかにした。具体的には、アメリカ合衆国が45%増で、次いでフランス38%、英国29%、ドイツ20%となり、オンラインゲーム時間も増加していることまで如実となった。
さらに、同Nielsen調べでは、アメリカ合衆国におけるゲーマーの39%が課金増加傾向にあることも公表した。
ただし、日経新聞の4月17日記事では、ゲームセンターの売上は70%も減少しているとも報じている。
やはり世界の先進国における潮流として新型コロナウイルス影響下でロックダウンが行われ世界経済が停滞する中で、ゲーム産業の売上が増加しているようだ。また、とりわけて、その中でもオンラインゲームをはじめソフトパッケージではなくダウンロード版が伸びていることが考えらる。
特に、ソーシャルゲーム類のスマートフォンアプリでは、イマジニア株式会社の「メダロットS」の運営側が、プレイ回数を増やす特殊アイテムを無料配布するなど新型コロナウイルスで不要不急の外出を控えるように積極的に取り組んでいる動きもみられる。
新型コロナ特需のマスクなど
さて、他分野に目を向けると、マスクとかアルコール、除菌タオルなどは儲け組の筆頭だ。マスクの手作りも盛んで、手芸センターとか、糸メーカー、ゴム紐も忙しい。ミシンもにわかに売れ出したし、シン糸の白系も売り切れだ。さらに、これからは、防護服で、流行がひどくなると、一般人も防護服を求めるようになるだろう。
ウイルス除去装置では、パナソニックやダイキンの空気清浄機も有効かどうかは知らぬが、売れているらしい。
「飛沫感染の防止用のビニールカーテン」とか仕切り用のアクリル板も売れている。ラーメン屋でも仕切りが不可欠になるかもしれない。
ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙製品も、外国人はウォシュレットがある日本でなぜ必要かとか言っているが、かつてのトイレット・ペーパー不足の記憶が甦るとの指摘がある。
家庭用の体温計とボタン電池がなくなりこの先の入荷予定もないくらいで、オムロンなどは笑いが止まらないとのこと。
テレワークで美容整形がはやるわけ
テレワークが盛んなので、テレビ会議用の需要は高まっている。会社毎のセキュリティ機器(暗証番号発行機)は、一気に、数ヶ月待ちになっている。PC用マイクやウェブカメラがどこのお店でも完売でもう手に入らないし、テレワークのため、2台目のディスプレイ、パソコンなども売れている。家庭では、1台のパソコンをめぐってお父さん、お母さん、子供たちで争奪戦も。
意外なところでは、事務椅子が売れている。自宅でテレワークすると、家庭用の椅子では長時間の作業は辛く腰痛を訴える人が続出。そこで、会社で使っているような高機能の事務椅子がいるようになっている。
テレワークの意外な勝利者は、美容整形外科だ。手術跡の回復期間が必要なので、今がチャンスと踏み切る人が多くなっている。
いろいろ文句言われているものの、中小企業向けの助成政策は複雑な一方で、かゆいところに手の届く多彩なものだ。しかし、手続きはややこしいので、融資申請代行も流行っていて「特需」といったところか。
オンデマンドの動画配信は、NETFLIX は一時期、連日のように株価が最高値を更新していた‥とか証券ニュースに出ていた。ディズニーDXなどの映画見放題サービスも絶好調で、東京五輪のために買い換えた大型テレビも役に立っている。
そして、地味だが、プラモデルが意外と売れている。SNSでも作品を披露する人が多い。また、アメリカではペットを飼う人が増えて、保護犬の収容センターも空になって関係者を喜ばせている。
本は読む時間はあるはずなのだが、本屋が休みでどうしようもない。私の新刊『365日でわかる世界史 世界200カ国の歴史を「読む事典」』(清談社)も本屋はほとんど休み、Amazonは発売日前に品切れになって、まだ、補充が取り次ぎから行かないらしい。しかし、小説とかAmazonで結構売れているようだ。また、学校も塾も休みなので学習参考書は好調。
インスタ映えするフルーツパフェを家庭でも
需要が激減したのは衣料関係である。在宅勤務なら着古しで十分なので全く売れなくなっている。日本ではネット回線の容量に問題があるのでテレビ会議は音声だけでやっているところが多いので、ますますまともな服を着る必要がない。一方、緑色の大きい布が売れているという。テレビ会議の時に後ろに張っておくと見栄えがするらしい。
食品では、自宅で調理する人が増えたので、調理家電は好調。家飲みの需要は増えているので、酒類は売れているし、氷が売れている。これまでテイクアウトなんかやってなかった飲食店が大挙して参入したんでプラスティックの弁当箱が馬鹿売れ。
昼食を外食しなくなったので、パンがよく売れている。お米や乾麺などの日持ちするものもよく売れている。缶詰も同様。スーパーはよく売れているし、曜日にかかわらず売れるので、混雑防止を名目にちゃっかり安売りなどしなくて済んで、おおいに利益率が上がっている。スーパーの食品棚が空っぽになるので、これまで月1回は、各部門で20%~30%オフのセールをやってたのが、それを全て中止しているので中間業者も含めて増益だ。
しかし、このあたりの売れている商品を列挙していっても、たいしたことはない。サービス業はほとんどだめだ。やっぱり10万円は貯蓄か、ゲームか、パチンコ屋が再開したらその当たりで大量消費されるだろう。
明るい話は少ないが、良質なレストランがテイクアウトや配達に乗り出してくれたので、自宅で家族で楽しく豪華な食事などを楽しめているのはいいことだ。
そんななかで、「インスタ映えするパフェ」で雑誌やテレビで人気沸騰の東急目蒲線千鳥町駅前にある「THE LIVNG」さんの持ち帰り用フルーツ・パフェの写真を少し気持ちを明るくするために掲げておこう。