覚悟なき、忖度の国

昨夜のニュースウオッチ9で専門家と称する人が、PCR検査数を増やすと感染の増加・減少傾向を掴むことができないので、増やさない方がいいと発言していた。唖然・呆然だ。国の方針に反対できない、御用学者の性なのか?

感染症対策として「検査と隔離」の大原則を実行しないままに日本はズルズルと中途半端な事態を引きずっている。誰か、「PCR検査をしないままに軽症者が感染を広げ、重症者も比例的に増える」ことが間違いだということを、科学的に説明して欲しい。そもそも検査をしないという、国際的な基準に反する方針は、どのように決まったのか、明確にすべきだ。

安倍内閣が交代しない限り、隠蔽・虚飾・忖度の日本は変わらないだろうか。ただし、現在の政権よりもさらにひどかった旧民主党の人たちにはごめん願いたい。

そして、死ぬまで顔を見たくもなかった、朝日新聞社系列のアエラ誌の取材を受けた。帰国後も、「朝日」系列の人とは名刺の交換さえも拒否していた。しかし、このコロナ対応の酷さには、その気持ちを押し殺してでも、自分の考えを発信していこうと思った。国は接触の8割減を望むだけで、具体的な指示は何もできない。評論家のように今のままでは不十分だと言う。

命を守る覚悟を決めてお札を印刷し、休業補償すればいい。終息後、ハイパーインフレになるのでできないという声も聞いたが、この中途半端感はどうしたのか?中途半端な感染症対策では医療供給体制は崩れ、コロナ感染者だけでなく、助かる国民も見殺しにしかねない。中途半端な経済対策では、倒産や生活苦を招いて自殺者が増えるかもしれない。暑くなると収まるのかもしれないが、ワクチンや治療薬がなければ、確実に第2波が来る。そして、終息を見ないまま、東京オリンピックも夢となる。あまりにも覚悟に欠ける政権だ!

金正恩が重篤とのニュースがCNNから報道された。現時点での真偽は定かではない。トランプ大統領からフェイクニュースと批判を浴びているCNNにとっては、このニュース報道の真偽の持つ意味は大きい。事実であれば評価が高まるが、嘘であれば他にニュースもフェイクと言われかねない。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年4月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。