こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
一昨日からにわかに緊急事態宣言の「一ヶ月延長」が報道されはじめ、昨日は首相の発言もあり、期間・地域はともかく自粛期間の延長は確定的な流れになっています。
おはようございます。にわかに緊急事態宣言の「1ヶ月延長か」という雰囲気が漂っていますが、現状と同じルールと支援体制のままで1カ月延長はさすがに耐えられない。法改正をして大胆な補償をするなり、地域や業種を区切って経済活動を再開することの検討が必要。強く提案していく。
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) April 29, 2020
危機感を覚えて今朝上記のTweetをしたところ、大きな反響があり、夕方には吉村府知事もほぼ同じスタンスで発言をして下さいました。
大阪府の吉村知事は、記者団に対し、「来月6日までという期限を決めて、いろいろなお願いをしているので、だらだら続けるべきではないというのが基本的な考えだ。今後の方向性を示さないまま、宣言の成果が出ないから延長するというのであれば、ちょっと話が違うのではないか」と指摘しました。そのうえで、「宣言の総括を行ったうえで、経済を疲弊させないための支援や補償を手厚く、きっちりやるというメッセージなしでは、国民にとってあまりにも酷だ」と述べ、延長する場合は、さらなる経済支援や、補償が必要だという考えを示しました。
(上記記事より抜粋、強調筆者)
まさに、この発言にすべてが集約されていると思います。
ここまで日本は、特措法に明確な強制も補償もないにもかかわらず、驚異的な自制心でここまで感染拡大を封じ込めてきました。それは本当に素晴らしいことだと思います。
しかし、そんな国民に頼り切った施策をもう一ヶ月続けるというのは、いくらなんでも無謀で無責任過ぎるのではないでしょうか。
緊急事態宣言というのは、そう頻繁には繰り出せない「大技」です。それを「あと一息だから、もう一回ね!」と言われて耐えられる人が、どれだけいるでしょうか。
このまま小手先の支援策だけで現行の「自粛」を数週間~1ヶ月も続けたら、間違いなく経済で人が死にます。
感染症の拡大地域によっては、まだ緊急事態宣言の継続が必要なことは理解しています。
ならばそれには、明確な対応策をセットで打ち出すことが必要不可欠です。
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具体的にはまず何より、特措法の改正です(新法制定でも可)。
私たちは一貫して、「自粛を要請するなら、補償とセットでなければならない」と当初から主張して参りました。
私権の抑制には慎重であるべきと思いますが、今のように社会の雰囲気で自粛の強制が続くのは弊害の方が大きいです。
明確な強制力と、それに対する大胆な補償をセットで盛り込んだ内容へと法改正が必要だと考えます。
同時に、いま極めていびつな形で国が握っている権限については、きちんと都道府県知事へと移譲する内容に改めるべきです。
そして、地域や職種ごとに経済活動を再開することも検討されるべきではないでしょうか。
最初の緊急事態宣言時には、感染が全国へと拡大することを防ぐため、一手遅れながらも全国へと対象範囲を広げました。
それは当時は間違った判断ではなかったと思いますが、一ヶ月経った今も同じ判断をすることは愚策です。
最初に大きく網をかけ、徐々にそれを小さくしていく。そのための一ヶ月間だったはずなのに、同じことをするなら何をやっているんだという話になります。
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総じて言えるのは、確かに先を見通すのは難しいことは承知の上で、政治が責任を持ってある程度の「覚悟」と「出口戦略」を示すことが必要不可欠でしょう。
自粛を継続させるなら、財政が傾くリスクを負ってでも、国が徹底的にお金を出して経済と生活を支える。
感染症対策と経済のバランスを取るなら、徐々に経済活動を再開していくロードマップを示す。
これがどちらもないままに首相が緊急事態宣言の延長を発表するのであれば、厳しく批判をせざるを得ません。
今日明日にも正式発表と言われる緊急事態宣言の延長ですが、同時に何らかの変更(法改正や大胆な補償等)が発表されるよう、最後まで働きかけを続けて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年4月30日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。