いつかまた一緒に:人と人のつながりの素晴らしさと歌の力

同じ景色が違って見えてくる。

新型コロナの影響で長い外出自粛の日々が続き、生活や仕事が一変してしまいました。多くの人が今まで持っていた常識や価値観が変わるのを経験しているのではないでしょうか。

政治の世界でもこのような危機の下ではリーダーに求められる性質も平時のそれとは違ってきます。ウイルス対策や経済政策の違いをはじめ、各国のリーダーが国民にどのように声を届けるのかという点においても違いが見られます。

政府与党に限らず、政権を監視すべき野党、そして議員全体を監視すべき国民・市民に知識に基づく冷静な判断と長期的視野が求められるときかもしれません。

歌の力

外出自粛や目に見えないウイルスに対する恐怖で多くの人が大きなストレスを感じている今、芸術や歌などが心を豊かにする、荒んだ心を癒してくれる力を持っていることを再認識した人も多いのではないでしょうか。

先日インターネットで全世界に配信された「One World: Together at Home」を視聴した方も多かったと思います。

僕も後半から視聴し、月並みな言葉ですが、本当に感動しました。ウイルス対策の前線に立つ医療従事者やロックダウン下の生活を支える人々への感謝の言葉、外出自粛やウイルスの拡散防止を呼びかけ、、世界中の連帯を呼びかける言葉。アーティストたちのメッセージが込められたパフォーマンスは私たちの心にまっすぐ直接届きました。アーティストは偉大です。

歌詞の意味

同じ歌の歌詞でも、違う環境で聞くと別の意味やメッセージが見えてくるときがあります。

皆さんは洋楽を聴くとき歌詞の意味を調べますか?僕は特別好きな歌だと歌詞を調べたりしますが、それ以外だと歌詞の細かい部分は聞き流して、メロディーとノリで楽しんでいます。

英語を含めた歌詞をネットで簡単に調べられる今では信じられないかもしれませんが、昔は英語の歌詞の内容を調べるのは大変でした。 CDに歌詞カードがついてくれば良いのですが、そうでないと「聞き取る」という最も基本的なことしかできないのです。しかし歌のリスニングが一番難しいので、完全に聞き取るのは無理です。そういうわけで洋楽の歌詞はボンヤリとしか理解していません。

“Together Again”

僕が大学生だった頃に流行ったジャネット・ジャクソンの“Together Again” という歌があります。明るい雰囲気のダンスミュージックで当時ラジオでもよくかかっていました。リリースされたのが1997年ですが、そのときも歌詞をちゃんと読んではいなくて、漠然と恋愛の曲なのかな?くらいに思っていました。“Together Again”のタイトルは「もう一度一緒になる」という意味ですから、遠距離恋愛とか何らかの事情で離れ離れになった恋人たちのことを歌っているのかなと、深く考えていませんでした。

最近、ふと「あの曲の歌詞って実際はなんて歌ってたのかな?」と思い立って調べたり、音楽配信サービスの中で歌詞の表示オプションがあって、今更ながら曲の意味合いを理解したりすることもよくあります。

外出自粛の日々が続いていると家族や友人と会うことができないので、早くみんなで安心して集まれる日が戻ってくることを祈るばかりです。そんな気持ちがあったせいか、“Together Again”という曲を久しぶりに聴いていました。

20年以上前の曲ですが今でも色褪せない名曲ですね。楽曲配信サービスで歌詞表示できるので、歌詞をちゃんと読み込みながら聴いてみました。

歌詞をしっかり読み込んでみると、曲の前半はなんとなく恋人たちが何らかの理由で離れ離れになっている感じなのですが、曲が進むにつれて

「あれ?この相手とはもう会えないの?」と感じ始めさせられます。

そして最後の曲の盛り上がりで

as on earth, in heaven we will be together

という歌詞が出てきて、「ああ、この相手は天国に行ってしまったんだな」と推測できるようになっていました。

こんなに明るい雰囲気の曲なのに!?と驚かされます。

Wikiのページなどで調べると、やはりジャネット自身の友人の死と父親を亡くした少年からのファンレターに触発されてこの曲を作ったそうです。

人とのつながり

コロナ禍を経験して、世界中で突然愛する人と離れ離れになること、ときには死別することもあることが多くの人にはっきり再認識されたのではないでしょうか?今も家族や友人と会うこともままならない生活が続いていますが、でもあともう少しの辛抱で愛する人々と再び一緒に笑える日々が戻ってくるはずです。

区長選以来僕のことを支援して下さっていたある方が昨年末に突然若くして亡くなられました。

衆院選でも落選した僕に彼は短いメッセージを送ってくれました。

「また明日から歩こう

いやでなければ、いっしょに歩くから」

正直今でも彼がこの世を去った悲しみと、心の穴が埋まらない気持ちは続いています。しかし、この世か天国でかの違いはありますが、いつかまた一緒になれる日は来ます。

今までと同じ景色が違って見えてくるように、同じ歌の歌詞が聴く側の気持ち次第で違ったメッセージ性を持つことがあります。

“Together Again”は今の僕の中では「人と人のつながりの素晴らしさと大切さ」を思い起こさせてくれる、そんな曲に聴こえるのです。