東京五輪は2024年に延期すべき理由

小野 泰輔

おはようございます。
東京都知事候補の小野たいすけ(泰輔)です。

選挙戦はじめての週末、きのう(6月20日)は「小池都政検証ツアー」の触れ込みで、豊洲市場前からスタート。築地場外市場近くにも回り、市場移転延期をめぐる混乱を招いた現都政の問題点について取り上げました。

豊洲市場前にて

その後、銀座のほうへ遊説に回りました。まるで梅雨明けを思わせるような好天。移動制限が解除して最初の週末ということもあり、たくさんの方にお会いでき、途中なんども激励のお声をかけていただきました。

さて、この選挙戦ですが、各候補者で争点となっているのがオリンピック・パラリンピックの開催です。大会はすでに1年延期することで決まりましたが、「本音」のところで来年の夏に開催できることを確信できている人はどれほどいるのでしょうか。

日本は、まだ科学的に理由は解明されていませんが、欧米よりもコロナの被害が少なくて済みました。私自身このまま収束することを強く望んでいます。しかし、確立された治療法はまだなく、ワクチンの開発も数年はかかりそうです。

20世紀初頭のスペイン風は、第二波の被害のほうが大きかったことを考えると、新たな感染拡大のリスクは過小評価できません。それに日本だけコロナ禍が収束したとしても、大会に参加する各国の状況が落ち着かなければ開催は不可能です。

海外からの人の移動をどうコントロールするかも、感染リスク対策で極めて重要と考えると、わずか1年の開催延期はとてもではないですが、現実的には思えません。東京都も国も大会の「簡素化」により、いわゆる不完全な形での実施に切り替えましたが、懸念は解消されていません。

しかし、だからといって、一部の候補者が主張されるように、大会そのものを完全中止というのは思考停止です。コスト削減を理由に挙げていますが、違約金の問題が生じますし、経済への影響を全体的に見渡しているとは言い難いものです。関西大学の宮本勝浩名誉教授の経済効果試算では、経済的損失の総計額は1年延期した場合が約6,408億円。しかし完全に中止した場合は約4兆5,151億円にものぼります(参照:関西大学HP)。

そうした経緯を踏まえて、私が主張するのは大会を2024年まで延期し、完全な形で実施することをめざすものです。4年あれば、ワクチン開発が進展、あるいは既存薬で何が特に有効なのかなど、ある程度の治療法が確立されていることでしょう。

これにより今はほとんど「鎖国」状態の人の流れも変わって安心して来日される皆さんの「おもてなし」が可能になります。まさに、安倍総理がおっしゃるように、「人類がコロナウイルスに打ち勝った証し」としての東京オリンピック・パラリンピックの完全実施が実現します。

もちろん、再延期となれば、IOCや2024年開催のパリ側との交渉をしなければなりません。相手もあることで難しい交渉となります。ただ、フランスのコロナ死亡者数は約29,000人と、日本の約900人を大幅に上回る惨状で、それこそパリ大会こそ、日本以上に社会基盤の立て直しに時間を要するのではないでしょうか。ウィズコロナ時代、アフターコロナ時代の国際大会をどう運営するか、IOCにとっても全く新しい発想が求められているのです。

2024年延期は日本国内としても調整すべき難題が山積みです。選手村建物のマンション分譲がさらに遅れ、大会準備期間のさらなる長期化で組織委員会の運営コストをどう賄うかといったことだけでも、全ての利害関係者を納得していただくのは本当に大変なことです。そして何よりも大会に向けてメダルをめざして命がけの準備を積み重ねていたアスリートの思いを考えると、2024年への再延期論を申し上げるのはとても辛いものがあります。

しかし、大会がどういうかたちにせよ、完全中止となってしまえば、後世にレガシーは何も残りません。ここにきて大会組織委員会の有力理事から再延期の可能性を模索する発言が出てきました(参照:日刊スポーツ)。

私自身、熊本では副知事として、未曾有の大地震からの復興にあたって、現場の皆さんの意見をとことんお聞きし、熟議して、打開策を見出してきました。都知事になることができたら、オリンピック・パラリンピックの延期問題でも、まず対話と熟議をしっかり重ねて、よりよい形で着地させたいと思います。

オリンピック・パラリンピックの希望の灯を決して消してはなりません。