ジョージア州のケンプ知事が7月6日、非常事態宣言を発動しました。
コロナ禍で新規感染者数が急増したためでしょうか?確かに、経済活動の再開とメモリアルデー以降、感染者数の増加が著しい状況です。またジョージア州と言えば、こちらでご確認頂けますように、テキサス州と並び早期に経済活動の再開に着手した州でもあります。
では、内容をみると・・・「違法な集合と暴力をめぐる非常事態宣言(Declaring a State of Emergency due to unlawful assemblage and violence)」。ケンプ州知事は発令と同時に、治安回復のため1,000人の国家警備隊を招集しました。
コロナ禍で経済が急減速し、ブラック・ライブズ・マターが全米を席捲し警察の解体や予算削減が声高に叫ばれるなか、発砲事件を始め重犯罪が多発しているというわけです。7月4日の米国建国記念日を挟んだ週だけで、ジョージア州では少なくとも31人が凶弾に倒れ、5人が死亡し、犠牲者にはわずか8歳の黒人の女の子まで含まれていました。
ジョージア州アトランタのキーシャ・ランス・ボトムズ市長が「ここ数週間で75件以上の発砲事件を確認している」と説明したように、銃犯罪は経済活動の再開に伴い多発しているんですよね。
ジョージア州だけではありません。コロナ禍で約3ヵ月にわたって外出禁止措置が講じられたNY市でさえ犯罪発生件数が増加中。殺人事件は上半期で前年比21%増の178件、発砲事件は同46%増の528件、被害者は636人に及びます。7月第1週ですら発砲事件の被害者はNY市で65人に達しました。
ジョージア州やNY市だけではなく、イリノイ州シカゴでも7月第1週の発砲事件被害者数だけで87人を数え、ワシントンD.C.やサウスカロライナ州などでも発砲事件が報告されています。2020年7月7日時点午前10時の時点で全米の銃乱射事件は281件を数え、このままでは少なくとも2014年以降で最多を更新すること必至です。
米国有権者は、治安の悪化をどう判断するのか。答えは、11月3日過ぎに出ることでしょう。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年7月7日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。