こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
大都市を中心とする新型コロナ感染拡大を受けて、政府が今月下旬から前倒しスタートしようとしている「Go Toキャンペーン」に疑問の声が上がっています。
西村担当相が「4都県に休業要請を検討」と移動・感染を抑制する方針を公的な場で発言しながら、一方で国内移動を大奨励する施策をやろうとしているのですから、矛盾を感じるのは当然の感覚だと思います。
私も経済活動との両立を重視する立場ではありますが、そもそもこのGo Toキャンペーンについては
・特定業種だけに限定されている施策である
・事務経費がかかりすぎる
という点から非合理的・非効率的なものなのでそもそも反対の立場です。
観光産業や地域経済が苦しい状態にあることは誰もが理解しているところですが、医療業界を始めとして、厳しい状況にあるのは観光産業だけではありません。
当初から一貫して主張しているように、景気浮揚策としては幅広く「減税」を行うことで特定の業種・業界に恩恵が偏らない形で対策を打ち出すべきであり、政治家が自らの支持母体に拘った恣意的な政策を行うことがどれだけ国民全体の利益を毀損するかを、改めて社会全体で考えた方が良いと思います。
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こうした状態になってもなおGo Toキャンペーンの実施に強いこだわりを見せる政治家たちの姿に、いまだに昭和から続く利権誘導型政治の典型が垣間見えます。
残念ながら全員に「広く薄く」恩恵が行き渡る減税のような政策を行う政治家は不人気になり、特定の業界だけが得をする政治家が「有能」だと評価されるシステムが日本には根付く残っています。
大半の人が何らかの業界団体・利権組織(企業や町内会なども含む)に所属していた時代であればまだしも、多くの人が無所属・無党派となった個の時代に、利権誘導型政治が限界を迎えていることは誰の目にも明らかです。
「Go Toキャンペーン」を単に愚策として批判して終わらせるのではなく、政界・日本社会全体の構造問題として捉え、これが議論のきっかけとなることを期待し、私自身も強く提言をしていきます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年7月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。