お年玉付郵便はがきで1等30万円が当たった男の物語

お年玉付郵便はがきで1等30万円が当たった男の物語。

誰の話かというと、私だ。100万本に1本の1等賞品「現金30万円または電子マネー31万円分」が当たったのだ。しかも、喪中で年賀状を送らなかった年だったのに。私、もっている。

最近、つきすぎている。マンションは売却することができたし、MAX額のローンも通り新しい家を購入することもできたし、しかも引越し先から140メートルの保育園にこの時期に入ることができたし。運を使い果たしているのではないか。

さっそく、引き換えに近所の郵便局へ。さすが、高額当選。この引き換え自体が冒険だった。

窓口に「あの、年賀状、当たったのですけど。1等なんですけど。」と、いま思うと具体性が乏しいが、なんとか伝わる日本語で勇気をもって伝えた。窓口の女性の方がこう反応する。「1等ですか。そんなことってあるんですか」と。当選番号を指差し「こ、この番号です」と勇気を振り絞って伝える。すると「ほ、本当だ。こんなことってあるのですね」と言う女性担当者。

「おめでとうくらい、言えよ」
と思いつつ、大金をもらえる機会を逃したくはなく、ロックやプロレスの魂をこの瞬間だけ30万円分売り飛ばし、冷静に待つ。しばらく待つと男性のスタッフが現れ。

書類の記入、身分証明書の提示をもとめられる。ひたすら書き、待つ。30分くらい待った。

待っている間、アパホテル社長カレーが郵便局で販売されていることについて、その意義について深く考えたり。途中、受付でキレる男性がおり、局員がなだめるという修羅場と遭遇したり。

やっと先ほどの男性スタッフがやってきた。これで終了かと思いきや…。住所が身分証明書と違う、と。どういうことか?この年賀状、私の職場に届いたものだったのだ。教職員証と、名刺を提示し、信用してもらうの巻。

さらに10分。全部で4~50分かかっただろうか。手続きは完了した。

悩んだ末、現金30万円ではなく、電子マネー(Amazon)31万円分にした。「電子マネーはインターネットがないと受け取れません」という、まるで平成10年くらいの条件説明をされ。「はぁ、メールで届くのかな」と思ったら、「簡易書留で届きます」とのこと。電子マネーが簡易書留で届く。令和2年なのに。でも、簡易書留に対する絶大なる信頼を感じた次第である。

ふー。

多くの人には役に立たないと思うが、年賀状で高額当選したらこうなるという事例紹介である。届くのが楽しみ!


編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年7月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。