年内解散総選挙が確率7割?!不確定要素があるとすれば、やはり五輪・パラリンピックか

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

周囲はもはや衆院解散に向けて臨戦態勢モード全開で、政界関係者や記者と会うと

「解散総選挙はいつ頃だと思いますか?」

と聞くのが挨拶代わりになりつつあります。

そこで業界関係者には常識かもしれないけれど、一般の人にはなかなか温度感が伝わらない「解散のタイミング」について、できるだけ噛み砕いて説明してみたいと思います。

結論から言うと、私も年内解散(秋~冬)の可能性が極めて高いと考えています。確率で言うならば6~7割以上はあるのではないでしょうか。

以下、その理由についていくつか述べていきます。

1. 公明党との関係

まず安倍総理・自民党が解散を打つタイミングを考える要素として絶対に外せないのが、友党・公明党との関係です。

ご案内の通り、今や全国津々浦々で創価学会に支えられている自民党は、もはや公明党・創価学会の組織票がなければ選挙を闘うことができないからです。

そして政界では有名な話ですが、公明党は都議会議員選挙を極めて重要視しており、この近辺に選挙が重なることを極度に嫌がります。

伝統的に都議会議員選挙において公明党は「全員当選」が至上命題であり、そのためにフルコミットするとすれば、解散総選挙の時期は離れている方が良い。

強い結束を誇る創価学会員といえど人間ですから、一度フルパワーで選挙を闘ってしまえば、次に動けるようになるまで一定の充電期間が必要となるわけですね。

よって来年6・7月の都議会議員選挙の前後は解散を打てないと考えると、安倍総理の選択肢は狭まります。

2. 「追い込まれ解散」を避けたい

年を越してしまえば都議会議員選挙が迫り、都議会議員選挙が終わると五輪・パラリンピックの開催日程となり、その後は衆議院の任期満了が目前に…。

ということで、年を越すと一気に任期間近の「追い込まれ解散」が現実味を帯びてきます。これは総理や与党にとっては美味しくない選択肢です。

「いつ解散があるかわからない」からこそ、野党や対立勢力に様々な揺さぶりをかけられるわけで、任期が迫って解散の時期が見通しやすくなればなるほど、野党は結集して着実に選挙準備を進めてきます。

前回、自民党が下馬評以上に大勝できたのも、奇襲解散によって野党がゴタゴタしたという要因がもっとも大きかったことからも、この解散の「仕掛け」の重要性がわかるかと思います。

3. 支持率の低迷打破

そして支持率・求心力の低迷が喫緊の課題となっていることも見逃せません。

昨日もブログで取り上げた通り、GoToキャンペーンの迷走等に象徴される決定力・推進力の弱さは、選挙によって打開するほか術はありません。

9月に内閣改造→その勢いで解散総選挙を行い、支持率と求心力を取り戻す

というシナリオは、現実的かつ窮地に追い込まれた安倍総理にとっても魅力的な選択肢として映っているのではないでしょうか。

以上を総合すると、やはり年内解散以外に選択肢は基本的にないだろうなあと思うのですが、不確定要素があるとすれば五輪・パラリンピック東京大会です。

現在、2021年の実施は厳しいのではないかという見通しが語られているものの、ワクチン開発などで収束の見通しが出て開催されることも充分にありえます(そうであって欲しい)。

各国選手が充分に準備ができない現状で自国開催となれば、日本選手は有利に闘えるかもしれません。

日本選手のメダルラッシュ→日本中がお祝いムードに→勢いで解散・勝利

というのはあり得るシナリオではないでしょうか。

実際、令和の御代替わりの際には、祝賀ムードで内閣支持率が顕著に上昇したという例もあり、支持率や選挙結果は社会の「空気」に左右されることもあるのが現実です。

五輪・パラリンピックの開催判断は、コーツ委員長より「10月」と目処が語られていますが、おそらく大勢はその一ヶ月前には決まるはずです。

となれば、オリパラが中止になればそのまま年内解散、開催となれば解散判断を留保という選択肢が安倍総理の頭の中にあってもおかしくありません。

あまり当たらないことで有名な私の政局予測ですが(苦笑)、何かのご参考になれば幸いです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年7月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。