バイデン氏の副大統領候補一覧、注目の面々をおさらい

今週中に民主党のバイデン氏が副大統領候補を指名すると報道されていましたが、まだですね。

(Gage Skidmore/Flickr)

Gage Skidmore/Flickr)

ワシントン・ポスト紙は3日に「あと2週間後ろ倒しとなる」と伝えており、極めて難航している様子が伺えます。あるいは米議会が追加経済対策をめぐり熾烈な協議を重ねるなか、タイミングを見計らっているのかもしれません。

というわけで、各メディアが候補に挙げた6人をおさらいしてみました。バイデン氏が3月15日に「女性を指名する」と宣言したので、女性ばかりが並びます。

(作成:My Big Apple NY)

(作成:My Big Apple NY)

この中で、特に有力視されているのがカマラ・ハリス上院議員スーザン・ライス元国連大使エリザベス・ウォーレン上院議員とされています。

ここではご紹介していませんが、連邦議会黒人幹部会の会長を務め、バイデン氏とサンダース上院議員との政策提言では経済パートの共同議長を務めたカリフォルニア州のカレン・バス下院議員と予想する声も少なくありません。

ちなみに民主党大統領候補予備選で全国的な知名度を上げたカマラ・ハリス上院議員、ご本人がジャマイカ系とインド系のミックスであり夫はユダヤ系とダイバーシティの権化のような存在感から副大統領候補の最右翼と目されていますが、悩ましい問題があります。

こちらでご紹介したように彼女はカルフォルニア州で検察官として法律の世界に飛び込み、同州で女性初の司法長官に上り詰めました。しかし、同時にスリー・ストライクス法”を元に数多くの黒人やヒスパニック系の犯罪者を実質的に25年以上の懲役刑送りにしてきた張本人との批判も多いのですよ。

カリフォルニア州の黒人人口が全体の6%程度の割に囚人比率が29%に及ぶ理由は、ハリス氏が忠実に職務を全うしたことが一因と受け止められ、結局は黒人票を集められなかった事実もございます。

とはいえ知名度抜群のウォーレン議員では浮動票が見込みづらく、ライス元国連大使もリビアのベンガジの米総領事館襲撃事件をめぐる発言など醜聞と無縁とも言い難く、他の候補ではインパクトに欠けるというもの。バイデン候補と言えばトランプ大統領から「Sleepy Joe(居眠りジョー)」とあだ名をつけられましたが、指名選びで寝ている暇もなかったりして。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年8月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。