「やってる感」「決意表明政治」をこえて #ABEXIT のその前に

安倍晋三首相の連続在職日数が24日で2799日に。大叔父で沖縄返還を実現した佐藤栄作氏の2798日を超えて憲政史上最長となった。

(2020年8月4日 会見する安倍総理 首相官邸HPから:編集部)

(2020年8月4日 会見する安倍総理 首相官邸HPから:編集部)

親子三代にわたり反自民であり。幼少期は当時の社会党から立候補して北海道知事か、国会議員になるという夢を抱いていた時期もあった。たすきに「常見陽平」と書いて、選挙ごっこで近所を演説して回ったこともあった。

そんな私なので、大批判を期待する人もいることだろう。ただ、それはいつも書いてきたことであり。この長期政権は、私たちが民主主義をサボり続けてきたことによって成り立っていなかったかと反省をしてみたりする。言いたいことはいっぱいあるが、それは最近、政権に対して批判的な論調を繰り返している、読売・産経を含め、各紙が警鐘を乱打している。安倍晋三の健康問題もある。記録が確定してから何らかのかたちで休む、退くのではないかという憶測もあるが。ただ、明確な期待できる後継者もいなければ、40代以下で期待できそうな政治家もわずかであり。ここにも我が国の閉塞感が。

「安倍政権のレガシーは政策よりも…」御厨貴さんの洞察:朝日新聞デジタル

そんな中、響いたのは今朝の朝日新聞に掲載されていた御厨貴先生のコメントで。「やってる感」という言葉を使っており。これは安倍、自民党がこの8年で取り組んできたことだけではなく、今の日本を象徴する言葉ではないかなと思った次第である。もちろん、空気で物事が動くこともある。ただ、「やってる」と「やってる感」は違う。「やってる感」と、消極的な支持により、この2799日は続いたのではないか。

「やってる感」に騙されていはいけない。メディアが伝える変化の兆しも結構だが、「やってる感」だけであって、やっているかどうか、納得感があるかどうか、成果が出ているかどうか怪しい案件が多数。働き方改革、コロナ時代の働き方関連などまさにそうで。「やってる感」だけでメディアで紹介される働き方改革企業がなんと多いことか。

「やってる感」に騙されるな。

ABEXITの日は近い。これは左右、支持・不支持を問わず向き合わなくてはならない。「やってる感」政治を超えて。21世紀を絶望の時代にしてはならない。輝ける未来を創造するために、微力だが無力ではないと信じ筆をとった次第である。隊列を打ち固めよ。


編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。