会社がプログラミング研修を必修にしたんだけど意味あるの? と思ったときに読む話

城 繁幸

写真AC:編集部

今週のメルマガ前半部の紹介です。先日、以下のような質問をいただきました。

「会社が今年から全社員にプログラミング研修を受講させることを決めました。システム開発部門ならわかりますが、正直自分のような一営業職が受講しても意味があるのかなという気がします。
一時期社内の公用語を英語に、なんてトレンドもありましたが、一般に広まったという印象はありません。プログラミングも一過性の流行で終わりそうな気がするのですが、どう思われますか?」

実際にそういう話はたまに耳にしますね。

【参考リンク】英語の次はプログラミング、楽天の三木谷会長が社員に要求

ジョブズも

「論理的に物事を考えられるようになるのでプログラマーでなくともプログラミングを学ぶことは有用だ」

と言っています。

とはいえ、一律で全社員に研修を義務付けるとなると話は別でしょう。いい機会なので、意外と語られる機会のない企業と研修についてまとめておきましょう。

トップダウンでやらされる研修は実は下火

昔から日本企業は横並び一律の研修が大好きですね。新入社員研修といえば誰でも経験があるでしょう。あとは7~10年目くらいで係長研修(今はリーダー研修と呼ぶところが多いですが)、新任課長研修等。

写真AC:編集部

最近は40代でポストに就けなかったミドル向けにモチベーションとキャリアビジョンを与えてリブートさせる研修なんていうのがプチ流行しています。

後学のために一回見せてもらったことがあるんですけど「仕事とは社会に貢献し家族を養うための崇高な行為なのです。誇りをもって日々仕事に精進しましょう!」みたいな精神論をぼーっとしたオジサン達に注入する奴だったので中座しましたね(苦笑)

日本企業がそういう横並び一律の研修を好んだのは、やはり年功序列と親和性が高かったからでしょう。「人は勤続年数に応じて成長するのだから、勤続年数に応じて必要な素養を与えてやればよい」という発想なわけです。

かつて(そしておそらくは今でも多くの日本企業では)キャリアも必要なスキルも、会社が必要に応じて個人に用意してやるものだったんですね。

ではそうした横並び一律研修は本当に企業が必要とするような人材を育成出来てきたかというと、個人的には非常に成果は疑わしいというのが実感ですね。

後述するように、多くの企業でも同様の考えであり、ここ20年ほど、新人研修やオジサンリブート研修等どうしても必要なものを除き、横並びの研修は見直しの対象となっている印象があります。

そんな中で楽天のような若い企業が突然トップの発案で横並び研修を復活させるのを見ると、三つ子の魂百までという言葉を思い出しますね。
以降、
日本企業の研修に欠けていた2つのもの
“気づき”を与える仕組みづくりを

※詳細はメルマガにて(夜間飛行)

Q:「在宅勤務を機に働き方そのものを変えるべきでは?」
→A:「在宅で従来通りの働き方をするのがそもそも無理筋ですね」

Q:「新卒採用を続ける意味ってなんでしょうか?」
→A:「やる気のない人材と企業にとっては楽ちんなので続けるでしょう」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2020年8月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。