ヨーロッパで再び感染者数が爆増するも死者が全然でない理由を考えてみよう

永江 一石

わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では9月の塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。ひとりずつ丁寧にやってますよ。※事業・集客コンサルやサイト構築のご依頼も絶賛受け付けております。得意な分野はECサイト構築や商品開発です。実例はこちら

久々にコロナの話です。

さすがのテレ朝 欧州で感染再拡大 フランスで感染者が過去最多に

フランス保健省は4日、新型コロナの新規感染者が8975人確認されたと発表しました。これは感染第1波のピークだった3月31日の7578人を大きく超え、過去最多となります

スペイン、コロナ感染者が50万人突破 西欧で初めて

と、例のごとくメディアは「ヨーロッパでは再びコロナが猛威を振るいはじめた。集団免疫なんて無いんだ。またたくさん死ぬんだ」と煽りはじめていますが、お前ら本当に自分でデータを見ることはしないのかと聞きたい。

まずはフランスです。

1ヶ月半前から感染者が爆増するも、ほとんど死んでない

2週間詐欺というのが岡田晴恵さん中心にありましたが、感染のピークでは綺麗に2週間で死者が急増しています。たとえばできるわけもない早期抑え込みに失敗して阿鼻叫喚で二度目のロックダウンしたハワイがこちら。ロックダウン意味ないのに。

綺麗に2週間後から死者が爆発しています。日本と人口を合わせると1日400人くらい亡くなっています。

スペインも全然死んでませんよ。

2ヶ月前から感染者が爆増するも、ほとんど死んでない

メディアはフランスやスペインではバカンスや経済を回したおかげで感染者が爆増は報じるが、死者が全く増えてないことは報じない。これ明らかに変でしょ。

イタリアも感染者は増えても死者全然でてません。

ドイツもです。ドイツは9/15から空港での全員PCR検査を「意味が無い」としてやめます。

で、ノーガードだったスウェーデン

死者はもうほとんどでないのに、感染者が多い理由として現地の日本人の女医さんが

新型コロナ「第二波がこない」スウェーデン、現地日本人医師の証言

3月に感染が急拡大し、感染者の追跡調査を諦めて以降、PCR検査は入院が必要な重傷者に限り行われていたが、徐々にPCR検査のキャパシティーは拡大し、6月に入りストックホルム市ではPCR検査や抗体検査を無料で行うようになるなど、PCR検査数が大幅に増加した。検査数の増加に伴い、新規感染者は一時的に増加したが、増加したのは軽症者だけであった。そしてその後、新規感染者数(新規陽性者数)もPCR検査陽性率もともに減少してきている。

とまあ、どの国もバカンスや経済の再開と共に感染者は非常に増加したものの、死者はほとんどでなくなった。東京と似た感じです。実際、いくら感染者が増えても死者さえ出なければ別にどってことのないただの平凡な疾病である。

いったいこの奇妙な現象はどうして起きているのか、医者だろうが専門家だろうがエビデンス付きで説明出来る人は現段階ではいないわけで、専門家でも仮説でしか説明出来ない。よって素人が仮説を立てても変わらないわけで(w)理由を考えてみた。単体ではなくて複合的な要素もあるでしょう。

ウイルスが弱毒化した

これ、自分は可能性低いと思います。フランスではそういう人が多いらしいが、ヨーロッパのコロナだけが変異して弱毒化したのであればまだ分かるが、グローバルの時代にそれはないでしょ。

上のハワイもそうだが、国土が広いアメリカではいまはテキサスがピークで

こんな感じでたくさん亡くなっている。つまり初回の感染拡大では死者が多数出る法則は変わってないのです。

亡くなるべきリスクのある人たちが第1波でみんな死んだ

たとえばイタリアでは基礎疾患のある高齢者中心に35000人が亡くなりました。しかしイタリアは日本に次ぐ高齢国家で、65歳以上の高齢者は1382万人もいるのです。たった3.5万人がなくなったからといって誤差程度です。

日本でさえ

70歳以上では高血圧が72.4%、もっともリスクが高い糖尿病が2割もいるのです。糖尿病の治療経験ありは75%もいます。イタリアの肥満度は日本の比ではないのでおそらく糖尿病の比率はもっとずっと高く、リスクのある人は1000万単位でいるはずなので、この可能性も低い。

バカンスは若者中心・・・ってシッタカで言う人もいますが、第1波の時はイタリアは世代を超えて同居してる率が非常に高いから家庭内感染が多かったという話をしていたのを忘れたのか。日本と違い、単身世帯が少ないと言うことは若者が罹患したら高齢者も罹患しているはず。だからこの説も弱いと思います。

写真AC:編集部

2回目、3回目の感染である

コロナは既存の風邪の原因であるコロナ4種も抗体ができにくく、できてもすぐに消えてしまうので複数回罹患することが分かっている。2回目は抗体が消えていてもB細胞がバリバリと免疫を作るので罹っても軽く済みます。

毎年、冬に風邪引いて喉が痛い、鼻水がでるという経験は誰にでもありますが、2回目は軽く済んだでしょ。あれです。この可能性は、すでにかなり蔓延して多数の死者を出した国では可能性の高い仮説だと思います。

集団免疫が形成されている

そもそも集団免疫が完全に形成されていれば、感染者は増えません。ので、普通の感染症でいう集団免疫は日本ではまだ形成されていないであろうと阪大の宮坂先生はおっしゃってます。宮坂先生はもともとコロナは2割程度の人が免疫を持てば集団免疫が確立されているとおっしゃっていたので、「東京のホストの陽性率は30%だったので、すでに罹った経験がある人を含めると50%くらいはいると考えられ、東京は集団免疫が確立されている可能性はないですか」とFacebookで質問しましたら「ないと思います」と却下されました。w
(※しかしそれでも自分は東京は集団免疫できてる説を唱え続けます)

しかしヨーロッパではほとんどの国が20%どころではない感染者数ですので、集団免疫が確立されていると考えてよいのですが、そうすると再び感染者数が増えてきたのはおかしいということになる。が、コロナの免疫は2ヶ月くらいで消えてしまうということから考えると、いったんできた集団免疫によって終息したが、免疫が切れてきた人から二度目の感染が始まり、しかしそれはB細胞が頑張って重症化をさせないみたいな考え方もできるかと思います。

つまり、新型コロナはずっと蔓延し続けることにより、2回は誰もが罹ったウイルスになり、B細胞が覚えていて免疫を作るために軽症で済む。この場合、ずっと蔓延してくれていることに意味がある的な説でどうでしょうか。

感染症がそれにさらされたことのない国民にとって脅威であった例は梅毒が有名で、コロンブスが新大陸発見の航海から帰港した1493年、ヨーロッパは未知の病に襲われ、局部から全身に広がる発疹。失明して発狂して死んでしまう。この「梅毒」は、コロンブスの一行が先住民の女たちから感染し、旧大陸に持ち帰ったとされる風土病と関連があると言われていましたが、こちらによるとハーパー氏らの仮説は、

「コロンブスの船の乗組員が熱帯風土病のフランベシアに感染。細菌は航海するうちに徐々に欧州の涼しく乾燥した気候に適応、後に梅毒を引き起こす病原菌に変化し、以来安定した状態にある」

とのことでした。

感染症はそれに晒された事のない人たちにとっては死の脅威だが、だんだん慣れちゃうみたいな・・・・。

ネタとしてこれは読んでいます。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年9月8日の記事より転載させていただきました。