総裁選に麒麟がくる!? 石破氏が自らを明智光秀に例えネット波紋

討論会に臨む岸田、菅、石破の3候補(提供写真)

自民党総裁選は9日、党青年局・女性局が開催する候補者討論会を行った。通例は、党本部8Fにある500人収容の大ホールに全国の青年局・女性局の代表者らが300人規模で集い、各候補者の所見を30分聞いてから、短時間で少人数の質問を会場で受け付ける形式だった。

しかし、今年はコロナ禍を受けて会場の人数を制限。全国各地の組織とオンライン中継で結びつける初の試みを行った。さらに討論会の冒頭に例年は行っていた候補者所見も、前日の演説を聞いた上で質問を事前に募集するなど簡略化。候補者1人1分で回答するという運営方式にドラスティックに変えたため、質問の数も激増。憲法改正や比例代表の73歳定年制の維持、女性の政治参画、党のデジタル化など、若手や女性議員らしいトピックのものが目立った。

代表質問の後の自由質問の内容は、候補者には事前に知らされておらず「ガチンコ」での質疑に。「候補者の人柄を知りたいという要望が多かった」(三原じゅん子女性局長)とあって、「奥さんはどんな人か?」といった質問も飛び出し、各候補者が照れ臭そうに回答するなど場内が和むシーンも。

ネット上がざわついたのは次の質問だった。愛知県連から「ご自身を歴史上の人物に例えたら誰になるか?」と質問が投げかけられた時だった。

菅官房長官は「戦国武将、秀吉や家康だとか、あるいは秀吉の弟の秀長…魅力的な人物はたくさんいる」としながらも、「具体的に自分をどの戦国武将に例えるのはなかなか難しい。国家百年の計を考える立場にある総理大臣は歴史から学ぶことが大事」と述べるなど手堅いところを見せた。

菅官房長官(提供写真)

岸田政調会長は「自分自身が誰に似ているかは考えたことはないが、我慢強く、辛抱強く人生に取り組んでいくという意味では徳川家康に共感を得た時代もあった」と振り返ったが、「今となってはやはり時代を大きく転換させる政治家として、池田勇人総理のようにありたい」と、自らの派閥、宏池会創設者へのリスペクトをアピール。

岸田政調会長(提供写真)

一方、石破元幹事長は信長、秀吉、家康の3英傑の性格を示す「ほととぎす」のフレーズを引き合いに、「泣かぬなら殺してしまえは通らない。泣かせてみようはいいんだけど泣くかどうかはわからない。待ってるよもいいのだが、こっちがどうにかなっちゃうかもしれない」などと3英傑はイメージに合わないと述べた上で、「はやりで言うわけではないが、明智光秀は“泣かぬなら逃してやろう、ほととぎす”だそうですね」と、光秀の名を挙げた。

石破元幹事長(提供写真)

さらに「明智光秀とか石田三成とか次の時代は徹底的な悪役に仕立て上げるわけですよね。ですけども彼が治めていた地域に行くとそうではない。本当に慕われている。歴史上の役割を果たすのはそんな人間かもしれない」などと、まるで安倍政権下で冷遇されてきた自らの境遇と重ね合わせるようにコメントをした。

明智光秀(Wikipedia)

これにはネット上のアンチ石破のネット民が敏感に反応。ツイッターでは、

明智光秀て…

石破さんって何で自分を被害者ポジションにおきたいのだろう。

裏切り者やないかーい!さすが後ろから撃つヤツは違うな、

などと、党内から安倍政権批判を繰り広げていた石破氏と光秀を彷彿とさせるような意見が続出していた。