スウェーデンの日ごとに新型コロナでの死亡率が日本以下になりました。 (9月10日までのデータによる)
なお直近データは数日後に上方修正されることがあり、確定時に日本より上になっていることはあるでしょう。ただ日本を下回った状態が1週間続いていますので、下回った期間があることと大幅に上回らないことは確実だと思います。
スウェーデンはノーマスクでほぼ日常に戻っています。いい加減、スウェーデンを見習いませんかね?
仕事帰り。マスク率ゼロ。 pic.twitter.com/qikK8sPDLW
— 宮川 絢子 /外科医 in Sweden / 双子ママ(みやかわ あやこ) (@AyakoMiyakawa) August 12, 2020
スウェーデンの状況を不思議に思う方もいらっしゃるのですが、ロックダウンするかしないか、無症状PCR検査をするかしないか、陽性者追跡をするかしないか、マスクするかしないかに関係無く、感染は収束するのです。それが事実です。なおスウェーデンは全部せずに収束しました。(ロックダウンに感染拡大速度を遅くする効果があるということは否定しません)
その結果、多くのスウェーデン国民の健康は守られました。
また死者の総計も「ここ数十年で冬に死者が増えた最悪年」と同程度に抑えられました。
こちらはグラフの全体図ですが、日本の感染の現状も実際には悪くありません。
コロナ死者の総計は圧倒的に少なく、日ごとの死者数も収束しています。
ただ日本は、スウェーデンと違い持続可能な対策をせず 4〜5月に無理な自粛要請をしてその後自粛要請解除することで、山が2つでき、国民の精神状態に悪影響がありました。緊急事態再宣言するかしないか、マスク論争などなど。経済や教育への悪影響は言わずもがなです。
スウェーデンが日本を下回ったのは一時的なものかもしれません。8月末に大学キャンパスがオープンしたそうですし、10月からイベントが再開されるそうですし、何よりもう寒くなってきていますので。そういう事情も念頭に今後の展開を予想してみます。
まずこちらは拙稿のグラフの最新版、2020年の死者数及び、2019年や前5年平均のグラフです。
新型コロナの死者は現在日に一人出るか出ないかくらいです。全体の死者数は前5年平均を下回る週もあります。これは高齢者や基礎疾患がある方が前倒しで亡くなっていたことを示していると考えられます。
実際、スウェーデンの新型コロナの死者の平均年齢は83歳で、これはスウェーデンの平均寿命83歳と変りません(図は スウェーデン国営放送 SVTより)。
冬になってくるので、新型コロナ死者はまた増えてくるでしょう。
しかし最悪期でも、例えば新型コロナ死者70人、それ以外の死因が220人、計290人で、例年の冬と死者数は変らないという状態になると考えられます。
つまり新型コロナもよくある死因として社会に受け入れられている、という状態になるということです。
最後に、日本以下になった死亡率の背景として、スウェーデンが集団免疫を達成したことの他にファクターXを手にした可能性もあると思っており、冬の被害はもっと抑えられるかもしれません。ファクターXは、日本ではBCG接種か結核の蔓延による細胞性免疫強化だと個人的には思っていますが、スウェーデンはそれを新型コロナで得たということかもしれません。
答えは冬に出ます。
余談:新型コロナ死者の水増し問題に関して
ところで、死因に関して日本では水増しだ、というツイートがよく回ってきます。心筋梗塞などで亡くなっていてもPCR検査が陽性なら新型コロナ死者に含めるというものです。筆者の見解は、その数え方に合理性が無いとまでは現状言えないし、他の死因や全体の死因が情報公開され周知されていれば、本来どっちでもよいと思っています。
つまり問題の本質は日本での情報公開と周知が足りて無いことにあると思っています。
筆者が上のような全体の死者を含めたグラフを書くのも新型コロナの死者だけを見て多いとか少ないとか偏った判断を下さないためです。
スウェーデンでも8月18日の記事(スウェーデン語)で
自宅、あるいは、介護施設で亡くなった高齢者のうち、新型コロナウイルスが直接の死因であったのは15%であった。70%は新型コロナウイルスではない病気が死因により関係していた。15%は、他因死であった。(概要訳はスウェーデン医師の宮川先生による)
というニュースがありましたが、普段から情報公開が徹底されているスウェーデンでは、やっぱりね、と思われるだけで、特に騒がれていないようです。
藤川 賢治
東京都在住パワーリフター、本職はネットワーク系の研究者・技術者