41歳の祝福のお礼と抱負。そしてみなさんへのちょっとしたお願い

友人・知人のみなさん、お誕生日メッセージをありがとうございます。

一人一人に返しきれないので、ここでまとまった文章で返信代わりに、
これまでの自分の振り返り、これから何をしたいのか、を綴っておきたいと思います。

日本男性の平均寿命は81歳なので、もう半分折り返してしまいました。
残りの人生で悔いを残さないように、やりたいことは全部やるぞ、くらいの勢いで駆け抜けたいと思います。

40歳で主にしたこと

【コロナ緊急支援】

・コロナ禍で多くのひとり親、医ケア児家庭、困窮家庭がめっちゃ打撃を受けました

・彼女たちに対し、宅食や物資支援、消毒液などの配送を行いました。さらに、マスクが不足していたこども病院等にも、マスクを送りました

・結果として、1万2000世帯に対して支援を行うことができました。こうした大規模オペレーションを行うことができたのは、我々にとっては初めての経験でしたが、本当に良い財産になりました。

・今後も、大規模災害の際には、しっかりと動けるようなチームになっていきたいと、と強く思いました。

【「#保育教育現場の性犯罪をゼロに」キャンペーン】

・大手ベビーシッターマッチングプラットフォームでの性犯罪をきっかけに、性犯罪者が2度と保育教育現場で仕事に就けないよう、性犯罪者データベース(日本版DBS)の創設を求めるソーシャルアクションをしました。
https://florence.or.jp/news/2020/07/post41577/

・今回嬉しかったのは、この運動をやろう!と立ち上がったのが、フローレンスの社員、前田晃平で、僕は後からそれを支える、という役回りだったこと。

・多胎児支援のソーシャルアクションでも、社員がまずは走り出して、僕やフローレンスは後から追いかけ、支える、という構図でした。5年前は、こうしたソーシャルアクションはもっぱら僕が始めて組織を動かす、という構図だったのですが、今や社員から生まれていっています

・これはとても嬉しいことで、人を育てていくことが、何よりのレバレッジになるんだなあ、ということを再認識しています

【社内の新規事業創出の仕組みづくり】

・ソーシャルアクションもそうなんですが、新規事業も、3年前までは僕が考え、僕がリーダーシップを取って立ち上げ、ということをしてきました

・今は、社員から手が挙がり、彼女たちのアイデアが事業化していく、という状況になっています。これも、とても嬉しいことです

・僕の仕事は、彼女たちが新規事業を立ち上げることを応援しつつ、立ち上げ方をラーニングできるような学びの回路を設計していくことだな、と思っています

・以前は強みだと思っていた、新規事業立ち上げや政策起業等を、社員を育成することで任せられるとすると、自分が真に行うべきことは何なのか、ということを考えてしまうわけです。それが、次のフェーズに進んだ、ということかもしれませんが。

【こども宅食の予算化と議連発足】

・2017年から文京区でモデル的に始まった「こども宅食」ですが、二次補正予算に組み込んで頂き、これまで各地で手弁当で始めて頂いていた地域も、補助金を原資に運営することが可能になりました

・そしてめちゃありがたいことに、稲田朋美先生らを中心に、「こども宅食議連」が発足。休眠預金議連の時は、発足までめちゃ苦労したのですが、今回は爆速で立ち上げて頂き、驚いたやら嬉しいやら。
https://florence.or.jp/news/2020/08/post42262/

・社会事業で生み出したソーシャルイノベーションを制度化していく際に、議連は制度化に向けた大きな推進力になっていきます。こういった官民連携の仕方を、後進の政策起業家たちに共有していけたら良いな、と思います。

【「駒崎弘樹の社会起業道場」スタート】

・始めた理由は、以下で詳しく説明しました。
https://www.komazaki.net/activity/2020/06/post10600/

・簡単に言うと、「日本のNPOの高齢世代による若者いじめが激しいので、僕の世代でその負の伝統を断ち切りたい」というモチベーションです。

・僕の世代からは、ある程度成功した社会起業家は、下の世代の社会起業家に拍手を送り、育て、さらにインパクトを大きくしていく、という伝統を創ろうと思います

41歳でしたいこと

【医療的ケア児の環境改善の政策提言】

・2014年に障害児保育園ヘレンを立ち上げ、その後、2016年に障害児総合支援法を改正してもらい、「医療的ケア児」という言葉を法律上初めて明記してもらいました

・これによって自治体は医ケア児を支援する努力義務を負ったのですが、肝心のサービスは増えませんでした。なぜかというと、医ケア児のための障害児サービス報酬が低いままだったからです

・17年の報酬改定で、これを上げてくれるよう運動したのですが、あえなく玉砕。医ケア児への保育はフローレンス等数団体が、赤字を垂れ流しながら歯を食いしばってやっているだけで、全国的な広がりは見せてはいません

・今年は報酬改定のタイミングなので、今度こそ医ケア児を預かったり療育しても成り立つ、という仕組みに変えたいと思います。それができれば、全国の事業者も医ケア児を受け入れていけるようになるからです

【安心して利用できる訪問保育サービスの提供】

・病児保育という言葉すら微妙だった15年前から、訪問型病児保育をやってきた我々は、いわゆる健康児のベビーシッターは、他社ができることなので、他社にやってもらえば良い、と考えていました

・しかし、大手ベビーシッターマッチングプラットフォームによる事件・事故等が発生したことで、安心して預けられるサービスというのはまだ中々無いのだな、と痛感しました

・そこで、これまでコロナ禍ゆえに一時的に行ってきた健康児保育を恒久化するべく、検討していきたいと思っています

【こども宅食の全国化】

・議連も作って頂き、来年度の予算にも引き続き入れて頂くと、全国でこども宅食を実践してくれる団体が増えていくのではないか、と

・フローレンスでは引き続きノウハウの提供を行いつつ、全国の宅食団体をネットワーク化し、情報や食品のプラットフォームを作っていきたいと思います

・さらには、牛の餌になっている備蓄米100万トンを困窮世帯に配布できるような仕組みにしたり、企業が安心して食品寄付ができる「よきサマリア人法」の施行を後押ししたりしていこうと思います。

【今までしたことなかったことに挑戦】

・日本の男性の平均寿命は81.4歳。もう人生の折り返し地点に来てしまいました。

・よって、残りの人生で「やったことのないエモいこと」をやり尽くしていけたら、と思っています。

・例えば、今したいこととして

・ダイビング
・パラグライダー
・海でのSUP
・親子でカヤック
・未踏のサウナを制覇&テントサウナ入る
・フィンランドでサウナ入ってくる

とかがあるので、一緒にやってくれる人、募集です

お願い

・41歳でやりたいことの一つに、「こども宅食の全国化」があるのですが、僕らはノウハウを全国に無償提供しているのですが、それだけだと、全然成り立っていかないんですね。

・で、(佐賀県への)ふるさと納税を頂いて、それを原資に佐賀や全国にこども宅食を広げていっています。

・そんなわけなので、ちょっと手伝ってやるか、と思われた方は、ふるさと納税していただければ、その分、こども宅食が世の中に広がっていくのであります。協力してもらえたら嬉しいです!

親子のSOSが見落とされない社会をつくる。命をつなぐ「こども宅食」を全国に広げたい|ふるさと納税のガバメントクラウドファンディングは「ふるさとチョイス」
「親子の”つらい”を見逃さない社会を実現したい」そんな思いから「こども宅食応援団」は、佐賀県で生まれました。「こども宅食」は、経済的に困窮している子育て家庭へ定期的に食品や生活用品などを届ける仕組みです。お届けをきっかけにしてご家庭とのつながりを作りさらに必要な支援につなげていくための取り組みです。

編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2020年9月18日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。