GO TO トラベルに東京追加で予想される「3つのこと」

内藤 忍

昨日から「Go To トラベル」キャンペーンに東京発着が追加され、10月1日から利用できるようになります。

その効果は凄まじく、日本経済新聞によれば、昨年の連休前と比較して、軽井沢プリンスホテルで約20倍、ザ・プリンスパークタワー東京は約50倍の売上になったと報じられています。

今回の東京追加によって、これからどんな変化が予想されるのか考えてみました。

まず、10月以降の高級ホテルや高級旅館は予約で満室になるはずです。今回のキャンペーンは旅行費用の50%をサポートし、1人当たり上限2万円となっています。2人で旅行する場合、8万円で宿泊して4万円の優遇を受けるのが、最もオトクになります。

せっかくだから高級な宿泊施設に泊まってみたいと、ハイエンドな宿泊施設から予約が入ることになりそうです。

また、10月に予約が殺到すると、宿泊施設は値上げするようになると思います。価格が高い方が還元額が多くなって何だかトクするような錯覚に陥りますから、6万円の宿よりも8万円の宿の方が人気になってしまったりするのです。需要拡大による価格上昇だけではなく、キャンペーンの仕組みの盲点を突いた便乗値上げに騙されないようにしなければいけません。

そして、人の往来が増えれば、当然コロナウイルスの検査で陽性になる人がまた増え始めることが予想されます。今まで陽性者が少なかった場所に、観光客が押し寄せ、感染拡大といった事態になれば、またマスコミが騒ぎ始めるでしょう。

私も、旅行に出かけたい気持ちは山々ですが、10月に行こうとは思いません。9月中に前倒して出かけるか、10月の旅行ブームが落ち着いてからゆっくりと出かけたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年9月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。