コロナショックで厳しい経営環境に悩んでいる人がいる一方、このピンチをチャンスに変えている経営者もたくさんいます。
そんな元気な経営者を見ていると、ある共通点が存在するように思います。
それは「手放す力」を持っていることです。
今までやってきたことを、躊躇なく諦めて、経験したことのない未知の世界に踏み込んでいく。そんな柔軟性と勇気があるのです。
この「手放す力」は、過去の成功体験を持っている人ほど、手に入れることが難しくなります。今までうまくいっていたものを否定して、止めるのは簡単では無いからです。
例えば、有名大学を出て、一流企業に就職し、レールに乗って人生を歩んできたような人は、そのレールから外れる勇気をなかなか持てません。
あるいは、会社経営がそこそこうまくいっていた経営者は、自分が手がけた事業に愛着があり、環境が変化してもこだわりを捨てられません。だから、危機に陥ると、むしろ今までやってきたことを更に守ろうと努力してしまい、さらに事態を悪化させていくのです。
過去の成功体験を持たない人の方が、チャンスを手に入れられるマインドセットを持っています。過去のしがらみにとらわれず意思決定ができるからです。
過去にこだわって危機に陥っている人は、過去を全て手放すとどうなるか思考実験してみることです。そこで、これから何をすべきかゼロベースで考えられれば、自分がこれからどうすべきかがクリアに見えてきます。
後は、その過去を「手放す力」が発揮できるかで、これからの人生が決まるのです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。