こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
10月9日、維新オンラインサロン「未来共創ラボ」の意見交換会が朝7時半から行われました。パワーブレックファースト…!
テーマは組織の中で女性の数を一定数以上に義務付ける「クオータ制度」導入について。最近は自民党の下村博文議員が言及したことでちょうど話題になりました。
賛否が分かれる「クオータ制度」ですが、私は前向きな立場です。
6年前にもこんな記事を書いたことがありました。フランスはクオータ制度からさらに踏み込んだ「パリテ」導入のために憲法改正にまで踏み切ったという内容です。
参考過去記事:クオータ制導入で、女性と社会は躍進できるか?フランスの「パリテ」から考える
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論点は多岐にわたりますが、今日は意見交換会の中でも上がった反対意見
「無理に枠を当てはめれば、能力や意欲がない女性が議員・政治家になってしまう」
という点について私見を述べたいと思います。
この問題は実は、現行制度の中でもすでに生じて問題になっていると思っています。
現在、圧倒的に女性議員&立候補者の比率が低い日本において、特に地方議会議員選挙では「女性候補」というだけで圧倒的に高い当選率がほぼ約束されています。
このため、政党や組織が「戦略的に」必ずしも議員にふさわしくない人を擁立しているケースがあるのではないかと感じています。
クオータ制度を導入しなくても、「女性であるから」という理由で白羽の矢が立つ場合はすでに生じているということですね。
これを防ぐためには、まずやはり「女性候補」自体のボリュームを上げていくしかない。最初は少し無理をしてでも引き上げた方が良い。
選挙のように現行ルールの中に先行者利益が生じる構造になっているものについては、社会情勢や価値観が変化しただけでは変化が起きません。
具体的な制度設計としては、やはりまず「政党」に対して女性候補比率の目標値を定め、それに届かない場合は政党助成金を大幅に減額、あるいは比率以上になれば増額するなどのインセンティブ設計が望ましいと思います。
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私は民間企業や事業者に対しては、努力目標以上の義務を政府が課すことには反対です。権力側からの強制は望ましくありません。
ただ政党・政治家については、これまでずっと女性活躍の目標を掲げながら自らそれを達成できなかった責任に鑑みて、自らに厳しいルールを課していくべきだと思います。
ちなみに今日の意見交換会では参加者から
「なぜ女性枠や女性局はあるのに、『男性局』のような組織はないのだ」
という声がありましたが、これは藤田議員が回答したように「女性はマイノリティだと認識されているから」です。マイノリティではない属性の人たちに対しては、わざわざ枠や組織を設ける必要はありません。
人口の半分を占めているにも関わらず、「マイノリティ」となっている女性は社会最大の課題の一つです。
クオータ制度については引き続き様々な立場の方から声を聞きつつ、党内でも議論を深めていきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年10月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。