ホリエモンともめた大阪焼肉社長が尾道餃子騒動を語る

高橋 大樹

実業家の堀江貴文さんと広島県尾道市の餃子店の間で起きたトラブルは、その後店側が休業に追い込まれる事態となり、ネットやワイドショーでは堀江さんへの非難が続いています。

※餃子の画像はイメージです(写真AC、Wikipediaより)

報道によると、同行者のマスク不着用を理由に入店拒否された堀江さんが店を特定できる形でフェイスブックに

「マジやばいコロナ脳。狂ってる」「超失礼な対応されて怒りに震えてる」

などと投稿し、店側がブログ等で反論。

すると堀江さんを擁護する人たちから店に嫌がらせの電話が続くようになり、奥さんが精神的に参ってしまってしばらく休業することを決めたといいます。

騒動前の餃子店のツイッターからは動画配信という新たなチャレンジやご家族での営業を楽しんでいる様子がうかがえ、一日も早く以前の日常を取り戻されることを願っていますが、じつは私の身近にも堀江さんを支持する人たちから攻撃を受けた人間がいます。

現在、仕事を共にする大阪の焼肉「京松蘭」社長の福本大祐です。

同様の経験がある飲食店経営者として、今回の騒動をどのように見ているのか。福本に聞きました。

ホリエモンは「謝れない病」

私も今年の初めにネット上で堀江さんとケンカし、尾道の餃子店のようにホリエモン信者から攻撃されたことがあります。

私の場合、「日本の飲食店経営者はバカばかり」と飲食店経営者にケンカを売った堀江さんに対し、私の方からホリエモンの名前を出して批判したので状況は違いますが、そのあとツイッターで吊し上げられて以降はほぼ同じ状況だったと思います。

店には無言電話、グルメサイトには来てもないのに悪い口コミ、私のSNSにも嫌がらせがバンバン届きました。

ホリエモンはずっと炎上で批判されることももう慣れてると思いますが、普通の人はうつになってしまうと思います。

私も鋼の精神力とは言われますが、さすがにあの1週間は精神的に病みかけました。私は妻を店に入れておらず、自分ですべて対応したので、自分以外に被害者はでませんでしたが。

コロナ禍やマスクに関しては、私はほぼホリエモンと同じ考え方です。

でも色々な立場があるから、別の考えに対して否定はしません。自分の店で自分のやり方でやっているのに、言ったところでどうにもならないでしょう。

ホリエモンも現場だけで止めておけば喧嘩両成敗で済んでいたと思いますが、自分の土俵であるネットに引きずりこんだことが悪い。

餃子屋の店主とホリエモンではフォロワーの数、信者の数が違いすぎます。どうしても責められる割合が違いすぎる。それもフェアじゃない。

論点ずらしのネット投稿、信者の攻撃、嫌がらせ電話、SNS、来てもないのに口コミなど、私も経験しました。

私がホリエモンともめた経緯として、消費者がカードを使う時に店側がカード会社に支払う手数料が日本は他国に比べて高く、それがカード導入が日本で進まない原因で、国も税金を使ったのならば使う側ばかりのメリットではなく、使われる店側に税金を投入して援助するべきと私が主張し、「日本の飲食店経営者がバカばかりだから」というのは違うと堀江さんに反論しました。

それなのに「和牛を安売りするな」「日本のカード手数料が高くなるシステムの成り立ちを知らない」といった全然ちがう理由で叩かれ続けました。

堀江さんは頭が良い。記憶力も知識もすごい。リテラシーが高い。でもデリカシーがない。

堀江さんほど多才でなく、一つの分野で一生懸命やってる人に、デリカシーなく現場も知らず、一方的に批判するのはやめた方がいい。

今までの数々の炎上を見ていると、ホリエモンは「謝れない病」だと思う。客観的に立場の違いなどを考え、自分に少しでも非があると思えば謝ってしまえばいい。私は謝れない大人はいちばんダサいと思う。

ホリエモンは尾道の餃子店に謝れ。

尾道の餃子店店主さん、商売人ならがんばれ!

京松蘭はホリエモンとケンカした結果、精神的にはすごくダメージを受けましたが、すごい宣伝効果で過去最大級の売り上げを記録しました。

ホリエモン、ありがとう。あのときは売り言葉に買い言葉でいろいろ言ってしまってゴメンね。

尾道の餃子屋さん、私は妻を店に入れていないので状況は違いますが、商売人なら、ここでなんとか踏ん張ってほしい。

がんばれ!