現職都議から見た大阪都構想

Luca Sartoni/flickr

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。

大阪のみならず、政治関係者の間で(今後の政局を占う意味でも)注目の集まる大阪都構想。

短期的には、大阪の未来を決める住民投票。
長期的には、日本の統治システムを見直すきっかけになるかもしれない住民投票。

率直にいって、大阪で投票権をもつ方々がうらやましいです。

少なくとも私が生まれてきてからの約40年では、国の形や大きな方針を変える(あるいは変えない)という選択が、国民の手に委ねられる機会はほぼ無かったと思います。

これが若者の選挙や政治離れ、どうせ変わらないという諦めにも似た気持ちの根底にあるのではないかというのが私の考えです。

2015年の住民投票の際、私はお隣の兵庫県に住みつつ、大阪の企業経営者と話す機会もありました。その時によく言われていたのが、

「居酒屋で飲んでるおっちゃんも、井戸端会議してるおばちゃんも、学生さんも経営者も、みんな政治の話をするようになったんや。これがすごいことやないか。」

ということでした。

以前ブログで書いたことがありますが、私が都議を目指すきっかけになった小池百合子政経塾「希望の塾」で目の当たりにしたのも、これと同じです。これまで政治に参加していなかった人も含めて、「変わるかもしれない」というワクワク感、高揚感でした。

大阪の方々は、いま、この変わることへのワクワク感と変わることへの不安感に挟まれていることと思います。

ただ、とにかく大事にしてほしいのは、変える、あるいは変えない選択肢を自らの手にもっているということです。
若者の中には、自分が正しい判断ができるかどうか分からないから投票に行かないという人もいるそうですが、それは間違いです。

正しい判断なんて、誰にもできません。自分の目で、耳で、あるいは心で情報を得て、しっかりと自分の頭で考えて、大切だと思う方に一歩踏み出すことが一番大切なことなのだと思います。

そして、もし間違えていたのであれば、もう一度やり直せばいい。そもそも、今までの国づくり、まちづくりだって、正しかったかどうかなんて誰にも分からないはずです。

繰り返しになりますが、自分が大切だと思う方に一歩踏み出してほしいです。

それが、どちらの一歩だとしても、そこには後悔はないはずです。自分の決断であれば、あとで間違いに気づいたときに、自分の意思でやり直すこともできるはずです。

そんなこと言われても、賛成派と反対派が言ってることが全然ちがうからよく分からないという方や、今さら恥ずかしくて大阪都構想って何て聞けないという方には、乙武洋匡さんの解説がオススメです。

さしでがましいようですが、本当の意味で未来を変える(あるいは変えない)ことのできる大阪の方々へのうらやましい気持ちが抑えきれずに書いてしまいました。ご容赦ください。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年10月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。