兵、走る。
B’zの5週連続オンラインライブ、B’z SHOWCASE 2020-5 ERAS 8820-が本日、千秋楽を迎える。これまでの歩みを5つの時代にわけ、かぶり曲なしでZEPP HANEDAからお届けするスペシャル企画である。歴代日本人サポートアーティストも登場する。初期からバンドを支えていたものの、昨年のツアーでいったん離脱したキーボード増田隆宣の復活や、久々にベースに満園庄太郎が起用されるなど、たまらない「TREASURE」である。毎回、Twitterも盛り上がり、ファンの「ながい愛」を感じる。
これまでの4夜は、毎回チケット購入し、視聴した。すでに彼らはオンラインライブの新しい地平を切り開いている。なんせ、昨年まではファンクラブに入っていてもチケットが入手困難だった。モンスターバンドB’zを自宅で必ず楽しむことができる。これだけでも「ARIGATO」と叫びたくなる。コロナで何かと2019年までの生活をおくることができない「パーフェクトライフ」とは言えない日々が続いているが、約4,000円とネット環境さえあればB’zを身近に観ることができるのは贅沢である。「BANZAI」と叫びたくなる。自宅で誰も観ていないとはいえ、「熱き鼓動の果て」に暴れそうになる「衝動」を必死に抑える週末が続いた。
実際、豪華なライブである。まさに各時代のグレイテスト・ヒッツでありつつ、ベスト盤に入らないようなレア曲も炸裂している。一方、まだ「BAD COMMUNICATION」も「LOVE PHANTOM」もやっていない。メンバーもスタッフも選曲には頭を悩ませたことだろう。
日によりバンドメンバーが異なるのだが、パフォーマンスは最高だ。TAK松本はMusic Manのエディ・ヴァン・ヘイレンモデルを多用している。彼へのリスペクト、追悼の想いを感じる「純情ACITON」だ。メッシュを入れた稲葉浩志は50代半ばとは思えない、圧倒的な存在感と激しいアクション、何よりも超絶歌唱でライブを盛り上げる。ZEPP HANEDAの客席までをステージに活用した上、スクリーンを駆使した演出もナイスだ。ここまでやられると「星降る夜に騒ごう」という気分になる。オンラインライブにありがちな、おまけでやっている感がないのだ。
なんせ、スタッフ以外はいない環境なので、毎回、MCのはやや照れや戸惑いが感じられるが、夜を重ねるごとに、明らかに現場の空気が変わっていると感じた。特にスタッフやメンバーからの笑い声がよい意味で聞こえてくるのは、ナイスだった。一方、「いつかまたここで」つまりライブ会場で会えたらいいなという想いがメンバーからも伝わってくる。「YOU & I」同じ気分だ。常にB’zもファンのワタシたちも「BE THEARE」でありたいのだ。でも「どうしても君を失いたくない」という想いもあり。感染を避けるためにはオンラインライブもやむを得ない。「HOME」にいつつ、感動を味合うのだ。
しかし、ファンとしてどうしてもこれだけはという「ねがい」がある。それは、今夜、最終夜こそ、「Pleasure2020」を演奏してほしいのだ。「Pleasure」は常に更新されてきた曲である。学生時代の仲間「あいつ」の人生を追ったものだ。毎年、歌詞が変化し。「あいつ」も人生の紆余曲折を経てきた。それは私たちも同じだ。
2020年。コロナ禍の中、「あいつ」はどうなったのか。考えただけで泣けてきた。でも、きっとどこかで元気にしているに違いない。「野性のENERGY」をみなぎらせているはずだ。きっとB’zから元気をもらっているはずだ。
ぜひ、今日のDay5では「Pleasure2020」に期待したい。コロナ時代の生き方をB’zなら提示するはずだ。「ミエナイチカラ」がきっと叶えてくれるはずだ。
さあ、今夜も「IT’S SHOWTIME!!」
みんなで「ultra soul」を爆発させよう。
編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年11月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。