秋篠宮が55歳の誕生日の記者会見で、長女眞子、小室圭さんの「結婚を認める」と、述べました。一般家庭では常識的な結論にせよ、重苦しい雰囲気の中で、よく決断したと思います。
もし婚約が破棄、破談になるようなことであれば、眞子さんはもちろん、秋篠宮家ばかりでなく、皇室全体が息苦しさをずっと引きずっていくことになったでしょう。
眞子様は英国留学、小室さんもニューヨークの大学に留学し、弁護士資格をとるために勉強中です。国際派ともいえる二人が悲恋に終わるようであれば、国際的にも日本のイメージにも傷がつくところでした。
「結婚は両性の合意のみに基づく」という憲法に定められた「結婚の自由」の尊重、「小室家の金銭トラブルに関する情報、うわさを乗り越える眞子様のひたむきな思い」を秋篠宮も尊重したのでしょう。
これからも週刊誌などがあることないこと、伝聞や憶測を書き続けるに違いありません。日本が住みづらいなら、外国の弁護士資格でニューヨークで仕事ができるようにして、そこに住むのもいいでしょう。
本来なら、小室家は皇室の結婚の相手になりうる有資格の家でないことも確かです。小室圭さんのほうから婚約辞退を申し出るのがいい解決策とばかり、私は思っていました。違いました。
どちらか言えば、恐らく、圭さんより眞子様の思いのほうが強かったように思います。結婚に対する意思がここまで強ければ、親として認めざるを得なかったということですか。しかももう29歳ですから。
小室さん側に不透明な話が多いため、「皇籍離脱に際に支払われる1億4千万円は、借金の支払いに使われるかもしれないし、返上すべきだ」との声も聞かれます。眞子様から一時金返上の申し出があればともかく、宮内庁側から拒否するのは難しいでしょう。
皇族だった人が世間に対する体面、生活を維持するために一時金を使うことは、皇室側にとっても必要なことです。ご本人のためばかりでなく、一時金には皇室のイメージの維持という目的があるのでしょう。拒否すれば、「皇室は冷酷」という印象を与えるだけです。
皇室を継いでいく人が減り、皇室活動の担い手が先細りする流れです。菅政権は女性宮家の創設は見送り、女性皇族を「特別職公務員」(皇女)とする案が浮上していると、報道されています。
この案が具体化していけば「小室家の人になった眞子様は適格者か」という議論が起きる。圭さんが弁護士になり、借金問題も解決し、生活設計も成立するようになれば、世間の理解が進むこと期待します。
日経が「皇太子妃は皇族・華族出身という慣例を破られた上皇ご夫妻の結婚に、旧勢力といわれた人たちは激しく反発した。歴史の鏡にこれら旧勢力の姿はどう映っているか」(井上編集委員)と書きました。
書きにくいことをこの編集委員はずばりと、よく書きます。私も同感です。美智子妃の失語症、雅子妃の適応障害の背景には、こんな勢力からの圧力の影響があったのだろうとも想像します。
旧宮家(皇族)は、11宮家、50人がおられ、皇室活動を維持するために、復帰してもらう構想が浮上することがあります。旧勢力やその支持者たちが背後で動いているのでしょうか。
不思議なことに、皇室活動をになえるどんな人物がおられるのか、情報が聞こえてきません。有資格の宮家、人物がどの程度、存在するのか。実際に復活させるとなると、線引きが必要になります。そのようなことが果たしてできるのだろうかと、思います。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2020年11月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。