東京の高齢者自粛で感染拡大は抑えられるのか?

この国のコロナ感染症対策には科学がない。PCR検査を拡大しない。冷房と暖房を同時にかける。

そして、摩訶不思議なのは、東京の高齢者・基礎疾患のある方だけのGo Toトラベル自粛である。テレビで「停止をすると事業者が混乱する」という説明をしていたが、Go Toを始める時点でこのような事態を想定した対策を練っておくべきことだ。

最大の疑問は、私のような高齢者が県外に動かなければ、感染拡大は止まるのかだ?無症状感染の若い世代移動が感染を広げているという発想はないのか?あと2-3週間で落ち着かなければ、医療資源が少なくなる年末年始は、東京や大阪だけでなく、地方でも医療崩壊という姿が現実味を帯びてくる。

かつて、ガダルカナル島で、中途半端な手を繰り返し、大失敗した。そして、多くの若者が餓死した。ここで感染を止めないと、その帰結として、経済は大打撃を受け、惨劇が待ち構えている。

状況を科学的に分析し、必要な打つべき手を打たなければ、コロナ感染症以外の医療も回らなくなる。専門家は体を張ってでも、大胆な手を進言してほしい。日本学術会議も、何のために存在しているのか、その存在が問われているのではないのか?政府に勧告をできる組織ではなかったのか?


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。