「お寿司」と「ステーキ」と「ケーキ」と「うんち」の混ぜご飯

最上位目標はなにか。

宿題の全廃、固定担任制の廃止とチーム医療型の学年経営、定期考査の廃止と単元テストの導入など本質的な取組を次から次に行った千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長の『学校の当たり前をやめた』を読んで、常に心掛けていることだ。

学校の当たり前をやめた

エントロピー増大の法則で、ともすれば、プロジェクトには様々な思惑が入ってきて複雑になってしまう。

単体ならば美味しいお寿司も、これはチャンスと、ある人はステーキを、別の人はケーキを混ぜようとするから、全体としてはまずくなる。

さらに、たちの悪いことに、良いものと悪いもの区別がつかない、いわゆる老害という人たちが、たいていの場合は悪気なく、腐ったものやうんちを入れようとする。そうなれば、それは、もはや全体として「うんち」の混ぜご飯だ。

太平洋戦争のミッドウェー海戦も、当初は防衛ラインを東に伸ばすためミッドウェー島の攻略が目的だったが、後に空母の攻略という目的が加わり、装備に関する命令は、島の攻略で使う魚雷 → 空母の攻略に使う爆弾 → 島の攻略で使う魚雷と、二転三転し、日本海軍は戦機を逸すだけではなく、空母内は大混乱に陥り、その際に米軍機から攻撃を受け、空母4隻を失う歴史的大敗となった。

決断とは、決めて断ることで、お寿司ならばお寿司、ステーキならばステーキ、ケーキならばケーキと余計なものを混ぜないことだ。何に決めるか、というところが最も大切で、そこに、データや仮説、ストーリ等が必要となる。

自治体のPRやゆるきゃらも全く同じで、「くまもん」や「せんとくん」「みきゃん」はシンプルさを追求したから成功したのだろう。逆に、詰め込み過ぎたものはうまくいかなかった。

絶対にやってはいけない自治体PR「温泉と食事の街」「緑あふれる町」

そのプロジェクト、最上位目標は何ですか?


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2020年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。