イージス・アショア代替案など

2020年12月11日 11:30

石破 茂です。

本日11日は午後から鳥取市で開催される鳥取大学振興協力会の創立20周年記念式典における記念講演で地元に帰りますため、10日に本欄を書かせて頂きます。御了察くださいませ。

10日も東京都では新たに過去2番目に多い572人のコロナウイルスの感染が確認され、中でも65歳以上は過去最多の103人に倍増しました。高齢者施設でクラスターが発生したことが大きな要因とされていますが、それらの施設ではどのような感染防止策がとられていたのでしょうか。また、あまり外出しない高齢者が家庭内で感染した数はどれほどなのでしょうか。

テレビの情報番組を観る機会があまりないのでよくわからないのですが、高齢者施設にせよ家庭内にせよ、換気や手洗いの励行、食事に時間差を設ける、食事の際の会話は極力控え、場合によってはアクリル板を設置する、等によって感染はある程度減らせるのではないでしょうか。

テレビの情報番組には多くの学者やコメンテーターが出演して様々な見解を述べているのでしょうが、出来ることなら公的には政府のしかるべき立場の方と専門家一人ずつくらいが、毎日一定の時間に現状と対策を述べるなど、情報発信を一元化すべきではないかと思います。報道や言論の自由は当然尊重されなくてはなりませんが、多くの番組に複数の人が出演し、それぞれ異なる見解を述べられては、国民は混乱するばかりではないでしょうか。

今国会でも議論にはなりませんでしたが、日本版CDCの創設は、防災省と並んで我が国に必要なものであり、公衆衛生の権威たるCDC長官が情報発信も一義的に責任を負う、という形があるべき姿だと考えます。

突如として撤回が決定された陸上イージス(イージス・アショア)の代替案の方向性が、年末を控えた本日朝の自民党の会議で「ミサイル防衛専門のイージスシステムを搭載した艦船」にほぼ決定し、今後詳細を防衛省・自衛隊で詰めることとなりました。

ハワイのイージス・アショア・サイトでの発射訓練(防衛省サイトより:編集部)

汎用性の高いイージス艦を日本海に24時間365日置いておくのは、限られた資源の活用方法としては効果的ではなく、また海上自衛隊の負担も大きいことから、イージス艦を緊張の高まる南西海域に回すべく、イージスシステム(レーダー)とランチャーを陸上に配備する、というのがそもそもの構想でした。グーグル・アースのみに基づいた杜撰な測量や、ブースターの落下範囲の見誤りなど、防衛省の責めに帰すべきことが多々あったとはいえ、今後どのように乗組員を確保するのか、自艦防護以外の能力を何処まで保持させるのか、等々難問はまだ山積しており、年明けに具体的な議論を進める必要があります。
先週もご紹介した澤田廉三の「没後50周年記念フォーラム」はとても意義深いもので、深い感銘を受けました。

澤田氏は1918年フランス在勤中、夏季休暇を利用してパリの南西、ブルターニュ地方を周遊するのですが、渡河する際に嵐に遭遇した時の船を操る地元の漁師の言葉はとても印象的です。
(以下、「愛郷 外交官・澤田廉三の生涯」108ページより引用)

「ムッシューはこの大波が怖くないのかね?普通は誰でも肝を潰す。さすがあんたは日本人だ」「パリジャンなど口ばかりで腰抜け野郎よ」「真の愛国者は田舎の漁師や百姓ですぜ」
廉三は翌日から数日間フランスの田舎を巡った。国を挙げて戦争(第一次世界大戦)に苦しみながら、まるで中世のような農漁村の風景と純朴にして剽悍(ひょうかん)な漁師たちに、正直にして信心深い農家の人たちが黙々と働いている。ここにこそフランスのバックボーンがあるのだなと廉三は感慨を深くした。「ドッシリとした田舎が無ければしっかりした国はありえない」と「愛国は愛郷より」そのものを見る思いを深めた旅だった」(引用終わり)

フォーラム出席前に、鳥取市のある農村集落での収穫祭に顔を出したのですが(集落の皆様30人余が参加され、コロナ対策には万全の注意を払っての開催でした)、この澤田廉三の言葉を深く実感しました。捕獲したイノシシの鍋をつつき、地酒を酌み交わしながら語られた内容には、地域と日本の将来、政治の在り方、国民の採るべき姿勢など、実に鋭く本質を突いたものが多く、ハッとさせられることばかりでした。かつて当選回数の少ない時は、毎週のようにこんな機会を持っていたものだとしみじみと思ったことでした。

二週続けての澤田廉三のご紹介で恐縮ですが、昭和天皇、松岡洋右、白鳥敏夫、石原莞爾など、戦前・戦中の激動の時代に誰が、どのような思いで、何を語り、いかに行動したか、さらに知識を深めたいとの思いを一層強く致しました。

11日金曜日は珍しく平日に帰郷いたしますので、かねてから行ってみたいと思っていた鳥取中央児童相談所を訪問させていただく予定です。現場を見ずして政策を語ってはならないと思いながら、ここまで訪問の機会を持たなかったことを深く反省しています。

今年も本当にあと僅かとなりました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2020年12月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。

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衆議院議員(鳥取1区、自由民主党)、

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