前回の記事「宝くじは、不幸を呼ぶ「貧乏くじ」」は、BLOGOSのアクセスランキング総合第1位と、たくさんの方にお読みいただきました。その記事に関して、「日本で数少ないカジノの専門研究者」の方から反論がありました(写真は2年前の西銀座チャンスセンターの「億の細道」行列)。
(前略)ギャンブルというのは資産運用ではなく、大前提として「レジャー」であるという点。そして、レジャーというのは原則的にそこに嗜好が合う人間にとっては「価値あるもの」になりますが、合わない人間にとっては無価値にしか感じない。
まず宝くじは、レジャーであり、どうやら私はそのような嗜好が理解できない無粋な人間のようです。
そして宝くじが儲からないことは
「んなもん今更の様にしたり顔で解説されんでも、殆どの宝くじ購買者は判って買っとるんだわ、バーカ」
だそうです(面識のない人に、ネット上でいきなりバーカですか…w)。
しかし、西銀座チャンスセンターに並んでいる人たちは、寒空の中で2時間も3時間もじっと並んでいます。屋外とは言えコロナ感染リスクもあり、とてもマゾヒスティックなレジャーです(笑)。その悲壮感漂う表情を見ていると、私には辛くて暗い娯楽にしか見えません。
今年は特に行列が長いとも聞きます。これはギャンブルを楽しむ余裕がある人が増えたと言うより、コロナ禍で生活が厳しくなり、なんとしてでも宝くじで一攫千金を狙いたいと思っている真剣な人が増えたと考えるのが自然です。
この自称ギャンブル評論家の人のような、確率的に損する可能性が高いことをわかって宝くじを買っている人は、実は少数派です。
宝くじ売り場の1番長い列に並んでいる人に、宝くじの期待値を聞いてみたら、おそらく多くの人は正しい答えを知らないはずです。
宝くじの問題は、お金の正しい知識を持っていない人が、合法的にお金を搾取されてしまうことです。
知識がない人から合法的にお金を巻き上げる「情弱ビジネス」の典型と言える宝くじ。宝くじを買っている人は、所得水準の低い人が多く「貧乏人の税金」とも呼ばれています。
確かに節度をもって娯楽として楽しんでいる人が、まったくいないとは言いません。しかし、私には、多くの人の庶民の娯楽と考えるのは、どうにも無理があると思っています。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。