法的効果を伴わない緊急事態宣言の発出に、現在どれだけの意味があるだろうか

早川 忠孝

政府サイトより:編集部

小池さんが政府に対して緊急事態宣言の再発出を求めるようだが、緊急事態宣言の発出は現時点でどの程度の効果があるのだろうか。

アナウンス効果だけを期待しての緊急事態宣言だと、今の時点では大して効果はなさそうだ。

東京都知事の小池さんはじめ首都圏の知事がこぞって緊急事態宣言の発出を求めてくると政府も何らかの対応をせざるを得なくなるだろうが、くれぐれも日本の経済が失速するようなことにならないよう周到な配慮と準備をお願いしておきたい。

私は、ロックダウンは必要ないと考えている。
飲食店の営業が事実上出来なくなるような強制的措置も御免蒙りたい。

コロナ陽性判定者が市中を徘徊することを罰則付きで禁止したり、隔離措置の強化を進めることはいいが、一般の人々に対して移動禁止や外出禁止を求めるのは明らかに過剰な規制になるだろうと思っている。

市中パトロールを強化し、マスク不着用者に対して注意したり、コロナ対策を怠っている店舗等に立ち入って指導したりする程度のことはいいだろうと思っているが、くれぐれも今の段階で過剰な私権制限にならないよう慎重に対処していただきたい。

どうしても法的効力を伴う緊急事態宣言の発出が必要な状況であれば、通常国会の召集を早めて、まずは、特措法の改正をするべきだろう。

さて、政府は小池さん等の緊急事態宣言発出の要請にどう応えるのだろうか。

菅内閣のお手並み拝見、というところか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年1月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。