なぜ、日本のドラマより韓国ドラマにハマるのか?

数年前から自宅にはテレビがありません。テレビコマーシャルの話題には付いていけなくなりましたが、それ以外のデメリットは感じません。

その代わりに、AV監督の村西とおる氏を描いた「全裸監督」をきっかけに、ネットフリックスを観るようになりました。

民放テレビのようなコマーシャルも無く、イントロのスキップ機能もあって、好きな時間に好きなコンテンツをストレスなく自由に楽しめます。

国産ドラマもたくさんリリースされていますが、最近ハマったのは「愛の不時着」と「梨泰院(イテウォン)クラス」という、どちらも韓国ドラマでした。

なぜ日本のドラマよりも韓国ドラマに魅力を感じてしまうのか。数本見ただけで偉そうに語るのは僭越ですが、2つの理由があるからだと思いました。

一つは、韓国社会にある不条理な問題を、明るく前向きに捉える視点があることです。

「愛の不時着」は、韓国から北朝鮮に不時着した女性経営者の物語です。南北分断の不条理な歴史を、韓国から見た北朝鮮、北朝鮮から見た韓国という2つの視点からユーモラスに描いています。

「梨泰院クラス」は、韓国の財閥による経済支配や経済格差がテーマになっています。その不条理に主人公が果敢に立ち向かう痛快なストーリーです。

主人公の純朴で一本気なキャラクターも共通しています。日本では、何だかダサくて受け入れられにくい、常識破りな行動であっても、舞台が変わると何だか応援したくなってしまうのです。

それを可能にするのが、出演者の演技力です。主人公だけではなく、脇を固める俳優たちが、とても良い味を出しています。

日本のテレビドラマでも、かつて「半沢直樹」が多くの視聴者を惹きつけ人気になったのは、サラリーマン社会の不条理をぶち壊す爽快感と、多数出演した歌舞伎役者の迫力ある顔芸があったからでしょう。

韓国ドラマを観たこと無いという方も、騙されたと思って2本の大ヒットしているドラマを観てください。きっと今までの印象が大きく変わることでしょう。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。