1月17日のプレミアリーグ首位攻防戦リバプール対マンUで、敵と味方がわからない問題が起きた。BBCやESPN、ロイターは関連記事を掲載しているが、日本メディアの取り扱いは小さい。
リバプールがいつもの通り赤ユニフォームを着用したのに対して、マンUは「伝説のアースグリーン(legend earth green)」を着たのだが、その結果、両チームの見分けがつかないという色覚異常の人からの苦情が数百件寄せられたという。
ESPNの記事には写真が添えられていたので、「色のシミュレータ」という様々な色覚特性を持つ人の色の見え方を体験するアプリにかけたら、下の写真のようになった。
写真は「1型2色覚」という赤を感じる視細胞がない人の見え方を示している。写真中央がマンUで右側がリバプールの選手だが、確かに識別しにくい。
FIFAには、天候や照明などに関係なく、観客が両チームを明確に区別できることを求める規則がある。イングランドサッカー協会にも、識別容易な色を求める規則がある。だから、この試合は規則に違反している。
ロイターの記事は12人に1人が影響を受けたと指摘している。わが国では、色覚異常の発生率は男性の5%、女性の0.2%と言われている。このように色覚異常の比率は高いから、数百件の苦情が寄せられたわけだ。
ユニフォームはサポータであることを示すサインにも利用される。わが国でも、浦和レッズの試合ではスタジアムが赤に染まる。だから、ユニフォームの色彩は重要である。
マンUと同じ問題が起きないように、わが国のプロチームもユニフォームの色彩を決める際には色覚異常に配慮してほしい。