大手総合商社の丸紅の柿木真澄社長は、新卒総合職に占める女性の割合が少ない大手総合商社の中で、女性の採用を大幅に増やすと発表しました。
丸紅、新卒総合職の半数女性に 3年以内に異例の比率増と(朝日新聞デジタル)
人事部によると、「20年後も男性がほぼ8割で、そのような会社が環境変化に十分に応えていけるのか」という問題意識があるようです。
常見陽平氏は、周回遅れだと苦言を呈しています。
丸紅の件は何を目指すのかという話と、応募が集まるか、納得感のある採用ができるか、定着するかと論点、てんこ盛り。女性活躍の解釈からして周回遅れ感がある。
— 常見陽平 (@yoheitsunemi) January 24, 2021
一方、元アエラ編集長で男女雇用機会均等法第一世代にあたる浜田敬子氏は、この報道に前向きな発言をしています。
企業の採用担当者と話すと、「女子の方が優秀」という話をよく聞くのに、実際の入社は7:3,6:4で男子多勢、に落ち着く。女子はライフイベントなどで辞めるなどという思い込みがいまだに存在して何らかの“調整”が働いているのでは。丸紅に続く企業、もっと出てきてほしい。https://t.co/lCKKmtK8ye
— 浜田敬子 (@hamakoto) January 24, 2021
アメリカ出身で日米を拠点に人事管理コンサルティング事業を手掛けるロッシェル・カップ氏は、「こんなことが未だにニュースになることは残念」と指摘。
これはもちろん良いことですが、こんなことが未だにニュースになることは残念だと思います。https://t.co/X5yad2IWrQ
— ロッシェル・カップ (@JICRochelle) January 25, 2021
これまで「オトコ社会」の代表的業界とされてきた商社の内情を知る国際弁護士は、
「問題は入社後の企業文化にあるような。。以前、総合商社に出向した時に感じたのは、激務・体育会系ノリの文化に加えて、度重なる転勤の影響で、辞めていく女性が多い印象。ここを変えないと女性も定着しない」
と冷静に分析しています。
他にも、
「能力の高い男性を排除して、能力の低い女性を採用してしまう可能性がある」
「15年遅れくらいのイメージでむしろこれわざわざ言わない方が良かったんじゃないか」
といった意見も見受けられました。
丸紅は、収益7兆円超、21年3月期連結業績予想では当期利益を1500億円と上方修正しています。日本を代表するリーディング・カンパニーが(今さら)打ち出した女性積極採用宣言。
みなさんは、女性活躍、どうお考えでしょうか。
ダイバーシティ以外にも、2021年以降の日本雇用は、終身雇用・年功制の変更、ジョブ型雇用への移行、リモートワークへの対応などさまざまな変化が訪れるとされています。