今週のつぶやき:止まらないゲームストップなど

国会議員の飲み屋通いが話題になっていました。私も若い頃、一時期、そんなこともあったので心境はよくわかるのですが、今思えばなければないでどっていうことはない、つまり、惰性で通っていたわけです。人間、発掘すればやることなんて無尽蔵にあります。今の時代、例えステイホームでも困らないのですが、止めた煙草が懐かしくなるのと同じで我慢できなくなるのだと思います。そのような方々は「自分の切り替え」への訓練だと思って頂いたらどうでしょうかね?

では今週のつぶやきをお届けします。

ゲームストップは止まらない

solarseven/iStock

二極化するアメリカと言いますが、投資家の世界もプロ対「個人投資家集団」という対立軸がどうやら明白になってきたようです。ゲームストップなど一部の銘柄が突如暴騰するのに対して理論価格から飛び出したという理由で空売りを仕掛けるヘッジファンドなどプロ集団がAIもコンピュータープログラムでも予想できない個人投資家たちの動きに音を上げているように見えます。その結果、一般銘柄を売却して空売りの損失を穴埋めしなくてはならず、ダウやナスダックが冴えないという奇妙な状態に陥っています。

数日前のこのブログでビットコインが3万ドルを割ったけれどまた、回遊資金は戻ってくると申し上げました。案の定、それから2日で2割以上上昇し、その行方はどこに向かっているのかわかりません。長らく株式市場は理論先行でプロが主導する世界だったわけですが、ゲームストップ社で販売しているゲームではないですが、画面上でのバトルゲーム、対戦相手は有名ファンドマネージャーだ、ぐらいの感覚なのでしょう。力で圧倒するそんな流れは誰が作り上げたのでしょうか?

私にはトランプ氏の支持者層が強硬な姿勢で議会に突撃したのと同じ構図に見えます。一人ひとりのチカラは小さいけれど群衆になればどんなものでも圧倒できるというわけです。これは小説のような恐ろしい社会を現実に見ることになるかもしれません。私が予想する一番怖いシナリオ、それは中国の民衆が蜂起し、政権をひっくり返すということでしょうか?そんな空想のような話も今や現実になってもおかしくないということです。21年1月は実に刺激的で濃厚なひと月だったと思います。

大混乱になるかもしれないワクチン接種

国内のワクチンをめぐる報道が飛び交っていますが、私は全く楽観視していません。一つには先行しているファイザーのワクチンすらまだ厚労省の許可は下りていないのです。世界で50カ国以上でどんどん接種が行われており、日本はオリンピックをやる予定なので他国より先行してコロナを抑え込まねばならないのです。それなのに許可すらされていないのに2月下旬医療関係者とか4月高齢者の接種計画以前の段階です。

それ以上に呆れたのが川崎市で行っている接種訓練という名の実験であります。最大の難点は異様に時間がかかり、接種の数が捌けないのであります。理由は問診。接種を受ける人が様々な質問を浴びせるため、それの受け答えの時間が長く、気が遠くなるほど効率が悪いのです。今回の実験の場合、体育館レベルの接種会場で処理できたのは1時間30人、一日300人と推定されています。

1日300人?それでは対象になる国民が全員2度、接種するのに何日かかるかと言えば私がざっと計算すると50万日、1400年となります。もちろん、会場を増やすわけですから仮に日本全国1400か所でやって1年かかります。それ以上に医師や看護師しかできないこの作業、物理的にどうするのでしょう?次のターゲットは厚労省に矛先が向かう気がします。過去の教訓と訴訟がトラウマになっている厚労省は頭を抱えそうな気がします。

改良点が満載のスーパーのセルフレジ

私は日本では買い物の後の自動会計ぐらいでセルフレジは未経験なのですが、カナダではセルフレジをここ数年多用しています。またセルフレジを導入するスーパーも増えているので時代の流れかと思います。その中で使いやすさ、使いにくさがあるのにそれがほぼ改良されていないようなので私の思うところを記してみます。

Jovanmandic/iStock

まず、日本は現金の扱いを止めるべきです。セルフレジはスピードがモットー。ならば会計に時間がかかり、システム的にもより複雑、かつ、お釣りを要しなくてはいけないセルフレジの現金取り扱いは無意味だと思います。また、日本の場合、クレジットカードのチップリーダーが普及していないことがここでも祟ってしまいました。カード払いの時、カードを機械に挿入するのですが、その挿入する方向が決まっている点で前近代的そのものです。カナダでもかつて使っていましたが10年も前に原則無くなっています。

次にこれはカナダも日本も同じ問題なのですが、買った商品は袋に入れなくてはいけません。カナダの場合、スキャン後の商品を置く台には秤がついており、相当軽い袋を置いただけでも機械が反応し、取り除けと言われます。つまり、全部スキャンし、支払いを完了したらようやく袋に入れられるという流れでこれはたいそう時間のロス。一方、日本は袋をフックに引っ掛けてスキャンした商品をどんどんそこに入れていく方式なのですが、これ、スキャンするふりしてスルーした商品を自分の袋に入れたらどうなるでしょうか?カナダは万引き対策が十分すぎるし、日本は万引き対策がないように見えます。ほかにもいろいろあるのですが、そもそもセルフレジの使い方のコツがあまり説明されていない気がします。まずは啓蒙、そして改良が相当必要と感じます。

後記

楽天が携帯電話価格戦争に禁じ手の1ギガバイト以下無料まで打って出ました。個人的にはもう土俵際まで追い詰められた感を見て取っています。同じ構図だったのがサイバーエージェントの藤田さんが進めるAbemaTV。こちらも既存のテレビ業界を相手に勝負に出たのですが、本業の黒字をAbemaTVで食いつぶしています。楽天の場合はその規模が違うこともあり、三木谷さんも創業以来最大の窮地に陥るかもしれません。日本はアメリカと違い、逆転が生まれにくい土壌なのだと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年1月30日の記事より転載させていただきました。