新型コロナで日本の死者はなぜ減ったのか

2021年02月05日 14:00

新型コロナの死者は、全世界で227万人にのぼる。アメリカでは2020年のコロナの死者は40万人で、すべての死因による「死亡数」の増加40万人とほぼ同じだったと推定される。つまりコロナの分だけ死亡数が増えたわけだ。

では日本はどうだろうか。驚いたことに、昨年(2020年)の死亡数は2019年に比べて減ったのだ。しかし正確な数はまだわからない。厚生労働省は例年12月末に年間の死亡数を発表するが、昨年は人口動態統計の年間推計を発表しなかったからだ。

日本の感染症対策は大成功だった

人口動態統計は国の基幹的な統計(指定統計)なので、変更には総務省の統計委員会の承認が必要だが、厚労省は統計委員会に諮らないで推計の発表を中止した。これは異例の措置である。

その理由として、人口動態統計のホームページには「死亡数は、近年は高齢化により増加傾向でしたが、令和2年1~10月の累計で減少しており、年間推計を機械的に算出した場合には、算出した推計値が実態と乖離することが想定される」と書かれている。

確かに昨年の死亡数の動きは異常である。コロナの流行で死者が増えたはずなのに、図1のように7月まで前年を下回り、11月までの合計で前年比マイナス1万5322人である。最近、日本の死亡数は高齢化で増え、2019年の死亡数は138万人だったが、昨年は136万人程度に減ったとみられる。つまり死亡数は2万人減ったのだ。

図1

図1

最近は死亡数が毎年1万8000人ずつ増えていたので、昨年は約140万人と予想されていたが、実際の死亡数は予想より4万人少ない。これをどう説明していいかわからないというのが、厚労省が人口動態統計の推計を発表しなかった理由だろう。

しかし人口動態統計は、コロナの社会的ダメージを知る客観的指標である。それを隠して緊急事態宣言を出すのはおかしい。日本の感染症対策は大成功だったのだ。

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アゴラ研究所所長(学術博士)

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