中国製のワクチン導入も選択肢にいれるべき

2021年02月06日 20:00

Facebookで「ワクチン接種の遅れを挽回するためには中国製のワクチンの導入にも踏み切ったほうがいい」と少し挑戦的につぶやいたら、予想通り、ヒステリックなコメントの嵐。

sezer ozger/iStock

「どうあろうとも中国製なんてとんでもない」「粗悪品やただの食塩水が混じってる」「副作用が一杯出てる」とかヘイトとも取れるコメントの多いこと。

もちろん、ファイザーなどに比べて、治験が十分でないとか、有効率が少し低いというのは確かで、もし、導入するとすれば、どこまで厳しくチェックするかは課題だ。

有効性の問題については、ファイザーやアストラゼネカがmRNAという斬新な遺伝子技術を使っているのに対し、中国のシノバックのワクチンは旧来のワクチンのようなので、効果は低いが、既存技術なので、より安心という面もあるかもしれない。

新薬の開発に莫大な費用と組織が必要になり、先進国では規則もがんじがらめの中、ファイザー、アストラゼネカ、モデルナといったアングロサクソン系の巨大企業に日本もヨーロッパも太刀打ちできず完敗だ。

そういうなかで、中国、ロシア、インドなどがそれなりに開発に成功しているのが現状であるし、それを、中露印なんぞといって供給体制を考える上での視野から外すのは適切とは考えられない。

ファイザーなどの供給体制の動向によっては、背に腹は代えられない事態だってありうる。

このワクチンは嫌だという権利はあるとしても、たとえば、中国製ならすぐ打てるが、ファイザーのなら2か月待ちだという場合に、希望者に選択の権利を与えたときに、中国製でいいという日本人だって多いこともありうる。あるいは、在留の中国人やそのワクチンを使っている国の人たちが、本国でならワクチンが打てるのに日本では打てないというのも気の毒なことだ。

それに中国、ロシア、インドのワクチン開発に日本の製薬業界もタイアップする選択肢もないわけあるまい。

このあたりは、固定観念にとらわれずに、また、ヘイト的な選別などせずに、頭を働かせる価値があると私は思う。

いかなるコロナ対策がいいかは、前提条件の置き方次第で、非常に変わる。いまの日本の現状を分析するとこんなところか。

①欧米に比べて数十分の一しか感染者も死亡者もいない、しかし、②お医者さんたちはこれでも既に医療崩壊寸前の状態だとおっしゃるので日本のお医者さんたちの対応できる水準に患者を抑え込まざるを得ない、③MMT理論などのカルト経済学の流行のために財政支出はどんな効果のないものでも国民が喜ぶなら無限にすべきだし、しかも、将来の税負担の増加なんて嫌だという無茶苦茶な経済学が国民に支持されている、④特効薬を開発しろなどという人もいるが全くめどなどが立っていない、⑤経済はガタガタで患者数・死者数が桁違いに多い国なみにGDPは落ちている。

もちろん、集団免疫ができているとか、ファクターXとかをいう人もいるが、私はもしかするとそういうこともあるかもしれないという以上には信頼を持つべきでないと思う。また、現在より一桁くらい患者数が増えると、日本人の心理も医療界の低い能力も耐えられないのも明確だ。

だとすれば、解決策としては、かなりの効果は確実に上がるとほとんどの専門家が見ているワクチンの接種を急ぐしかないし、それは、無症状者から感染しやすいこの病気では格別に合理的だ。しかし、ここで厄介なのは、日本ではアンチ・ワクチン教信者が多いことだ。

私は強制はできないが、ワクチンを打ったかどうかで行動の自由や特典をもらえるかで差を付けるくらいはしてもいいとは思うが、それも難しそうだ。

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評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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