カタルーニャ独立派とスペイン国家権力との闘い --- ジョルディ・ウリオラ・フォルク

2021年02月20日 06:00

スペインで4年前に独立を目指して住民投票に踏み切った北東部カタルーニャ自治州で14日、州議会選(定数135)が投開票され、カタルーニャ独立派が過半数68議席のところ74議席を獲得して圧勝した。

カタルーニャ独立旗 feradz/iStock

選挙は来年に行われる予定だったが、選挙管理委員会がカタルーニャ自治州のキム・トラ自治州首相に、公共の建物からカタルーニャ政治犯の投獄に抗議する横断幕を下ろすように命じたことが発端となった。選挙管理委員会の命令に従わなかったトラ自治州首相が、スペイン裁判所によって公職を追われることになった。

トラ自治州首相は表現の自由をもって命令を拒否したのであったが、スペイン裁判所は、司法を侮辱することはカタルーニャ議会から放逐するのに十分であると判断。その結果、選挙が前倒しになったのである。

さらに新型コロナウイルス専門家の意見を踏まえて、カタルーニャ自治州は選挙を第3波がおさまるまで5ヶ月間の延期を決定したが、スペイン裁判所はまたしても介入して選挙を2月14日に行うことを決定したのであった。

この裁判官は9人のカタルーニャ自治州政府閣僚及び活動家を投獄し、亡命中のカタルーニャ政治家7人に対する逮捕状を発行したのと同じ人物である。ちなみにドイツとベルギーの裁判所は、罪状は正当化できず、スペインでは公正な裁判が保障されないとの理由で逮捕状を却下している。

またこの裁判官はスペイン国王への反抗歌を歌ったマヨルカ出身音楽家(ベルギー亡命中)への逮捕状を発行しており、おなじく国王批判の歌を作ったカタルーニャ音楽家パブロ・ハゼルを投獄するなどしている。

国家機構およびスペインメディアの攻撃にもかかわらず、独立派はまたしても、かつてない絶対多数と過半数得票という勝利をものにしたのだ。

独立運動に正面から対峙したのは、パンデミックに対処すべき社労党出身の前スペイン保健相であった。彼が率いる社労党は、国家及びメディア並びにスペイン統一派の支持を得て、独立派第一党と同議席を得た。

もう一方で独立運動の前に立ちはだかったのは、スペイン極右政党VOXであり、カタルーニャ議会に11議席で登場することとなった。

しかし、スペイン国家とEUは、民主的な住民投票に表現されるカタルーニャ社会の自己決定権を否定することはできないと筆者は思う。

つまるところ、民主主義は市民が投票で決定することを認め、恣意的な法律をもって市民の意思を踏みにじることではないのである。

ジョルディ・ウリオラ・フォルク Jordi Oriola Folch

カタルーニャ州バルセロナ在住

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