五輪組織委会長人事めぐる蓮舫氏の”ダブルスタンダード”

濱田 浩一郎

森喜朗氏の「女性蔑視発言」を受けて、立憲民主党や共産党などの女性議員が、抗議の意思を示すため、衆議院本会議に、白服を着て出席したことは記憶に新しい。これは、20世紀はじめにアメリカで起きた、女性の参政権運動の象徴が白い服だったことにちなんだものだという。

蓮舫氏ツイッターより

森発言を受けて、立憲民主党の蓮舫氏は、ツイッターにおいて「会長発言、その発想は、復興五輪の理念にも背いています」(2021.2.10)、

「今日は衆参の仲間で白いスーツ。  アメリカの女性参政権運動のシンボルで、組織委員会の会長への抗議の意味を込めています。」(2021.2.9)

などと抗議の意思を表明している。

しかし、蓮舫氏は、現時点では、橋本聖子組織委新会長の、フィギュアスケート男子の高橋大輔氏に対する「セクハラ疑惑行為」「キス騒動」については、Twitterで何も発信していない。森発言には、強硬な抗議のツイートを連投したのに、この差は何であろうか。

セクハラ疑惑については、AP通信が報じたり、韓国の聯合ニュースは森氏から橋本氏へのトップ交代劇を「性差別からセクハラへ」という見出しで表現するなど、海外メディアからも指摘されているのに、蓮舫氏は問題だと思わないのだろうか。橋本氏、高橋氏ともに、キス強要もパワハラ・セクハラではなかったと述べているから、問題ないと思っているのだろうか。ちなみに、橋本氏自身は、この問題について就任会見で記者に問われ、「私の軽率な行動について、7年前に一連の問題が出されたわけですが、その当時も今も深く反省しております」と述べている。

もし、これが、年配のスポーツ選手出身の男性議員と、若い女性アスリートだったらどうだろう。年配の男性議員が若い女性選手に酒席でキスをする・・これだけで、この議員はまず、新会長の候補にすら挙がらなかっただろうし、仮に新会長に就任したとしても、すぐさま、蓮舫氏を始めとする野党女性議員の猛攻撃にさらされたはずだ。

橋本聖子氏のセクハラ疑惑はスルーした蓮舫氏だが、自民党の竹下亘元総務会長が、橋本氏を擁護するつもりで放った「スケート界では男みたいな性格でハグなんて当たり前の世界だ」という発言については、即座に反応。竹下氏の発言を報じる記事を貼り付け、「この局面でこの発言。昭和から令和に時代は移っています。多様性溢れ認め合う社会を」などと批判した。

https://twitter.com/renho_sha/status/1362326116946468866

7年前は平成だったが、平成の世でも日本スケート連盟会長(当時)という絶対的権力の座にありながら、同連盟所属のフィギュア男子代表選手にハグをしてキスするというのは、セクハラかつパワハラと認定されてもおかしくなかったはずなのだが…。それは不問に付し、自民党を離党した橋本氏に対して、ツイッターで「誠実な方です」とまで言ってのけた。

https://twitter.com/renho_sha/status/1362653044349935616

蓮舫氏といえば「二重国籍」問題を思い出す方が多いだろうが、ジェンダー平等に対するダブルスタンダードも、なかなかのものである。