「ワクチン2回接種」見直しは、政治家が判断できる時期ではないのでは。政治判断に馴染むもの、馴染まないもの

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

2月23日は天皇陛下誕生日です。61歳になられたことを心より御祝い申し上げるとともに、皇室の弥栄を心より祈念いたします。

さて、新型コロナウイルスのワクチン接種について、新システムによる管理計画が本格化する一報、気になる動きが報じられました。

自民、1回接種の可否検討 新型コロナワクチン

>米ファイザー製ワクチンの接種回数を、海外の調査結果に基づき2回から1回に減らす案の可否について「党でも検討していこう」と述べた(中略)「政治的な判断になる。ワクチンの数が限られれば、1回分を広く皆さんに打った方が公平との考え方がある」と指摘。会議でも同様の意見が複数出た…
(上記記事より抜粋、強調筆者)

「政治的な判断になる」ということですが、物事には政治判断に適するものと適さないものがあると思います(それを区別するところからすでに政治判断が必要だ!という議論もありますが…)。

昨日のブログで取り上げた外交安保などはまさに政治判断が必要な政策分野で、相手があり正解がわからない以上、責任をとって政治家が対応を決断し続ける必要があります。

一方で医学的な分野というのは、比較的この政治判断には馴染まない・適さない分野と言えます。

もちろん政治判断が皆無ではありませんが(接種の優先順位を決めるとか)、基本的には医学的見地からのエビデンスに基づくということが大前提としてあって、そこを遥かに飛び越えて政治判断するとすれば、それは決断力・勇気ではなくて蛮勇です。

新型コロナワクチンは承認用量の2回接種が必須

かつてインフルエンザワクチンが2回接種→1回接種に変更されたことがあるように、今後さらに科学的な治験データ・知見が蓄積されてくれば、将来的に変更がなされる可能性はありえます。

ありえますが、新型コロナワクチンの接種回数については十分な治験データもなく、主に「不公平だから」という理由で開発者が前提としている2回接種の回数を変更するというのであれば、現段階では少々行き過ぎた政治判断と言わざるを得ないのではないでしょうか。

政策決定というのは世論で左右されるので、非常に難しいのは事実です。

実際、医療政策については高い安全性が科学的に証明されているHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)が、いまだに積極的鑑賞を再開できずに足踏みしています。

これも世論と一部マスコミの誤った報道によって後押しされた「政治決断」の弊害です。

と私は思いますが、発言しているのは医師でもある古川俊治議員ということなので、私が思いもつかない考え方がまだあるのかもしれません。

自民党内で議論がまとまり、政府の方針を動かす影響力を持つかどうかは不透明ですが、引き続き私も注視していきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年2月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。