こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。
先週木曜日(2/18)に東京都の新型コロナ対策の補正予算(案)が発表されました。
1月末に発表された来年度予算案に上乗せされる形になり、3月に議会での審議を行い、賛成多数で可決されれば4月から執行されるものです。
1.総額では1、416億円!
今回の補正予算案では、
1 新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策 1,255億円
2 経済活動と都民生活を支えるセーフティネットの強化・充実 160億円
3 感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組 0.9億円
として、総額1,416億円が計上されています。総額を見ても、これまでよりも検査や医療提供体制といった観点に手厚い予算となっていることが分かります。
2.感染拡大を阻止する取組には期待
いよいよ医療従事者向けのワクチン接種が始まり、都としてもその準備に追われています。また、4月から始まる予定の高齢者向けのワクチン接種に向けて区市町村の取組を支援する必要があります。
そのような意味で注目しているのは、(ここにきて、やっと・・・)積極的疫学調査や自宅療養者支援、入院・転院調整などの業務に対して、保健所や医療関係者以外の手を入れようという取り組みが拡充されていることです。
保健所や医療提供体制のひっ迫については大きく取り上げられていますし、その解消のためにも緊急事態宣言を出して、感染者数を抑制していくことは重要ですが、必ずしも保健所や病院に対して直接的に人を増やす方法ではなくとも、業務を整理し、サポートしていく方法はあると再三述べてきましたが、重要な予算がいくつも見られます。
一方で、話を聞いていくと、まだまだ各取組が連携している状況とは言い難く、司令塔機能を発揮するポジションが見えてきません。今後の委員会等でつめていくつもりです。
3.どうしたセーフティネット・・・
一方で、セーフティネットの強化という面では物足りないどころか、セーフティネットとして機能しにくい予算が計上されています。
東京都生活応援事業というのは、キャッシュレスを用いてポイント還元を行う、プレミアム商品券のような取り組みになります。ご存じかもしれませんが、プレミアム商品券は利用して初めて恩恵を受けられる仕組みのため、消費喚起という点では一定の効果を果たすものの、セーフティネットという意味では生活困窮者の生活を下支えするものとはなりにくいと思われます。
また、実施主体は区市町村であることから、今回の補正予算を受け、区市町村もさらに補正予算を組んで議会での議決を経て取り組むことになるため、都民の皆様に届くのは早くても6月か7月になるのではないかと思われます。この点でも、今まさに生活に苦しんでいる方々に届かないものになっています。
出産応援事業として25億円が計上され、今年に入ってから出産される(た)方に対して一人当たり10万円相当の子育て支援サービスや育児用品の購入ができるというものですが、これもセーフティネットと呼ぶ内容ではありません。
また、ここには記載されていませんが、国の雇用調整助成金を利用する際のサポートを行う事業がありますが、すでに解雇されるなどしてしまった方には届かない支援となります。
どれも平時においては「あれば嬉しい」予算です。しかし、今は有事です。本当に苦しい生活におかれている人に届かないのであれば、それはセーフティネットではないと私は思います。
4.都議会の腕の見せ所・・・
とはいえ、これらの予算のダメ出しをしていても何も状況は変わりません。2/24から始まる都議会において、各会派からどのような意見が寄せられるのか、私たちの仕事が始まります。
これではセーフティネットが不足だと直接的に拡充を求める会派が多ければ、やはり都としても今後の取組を考え直さざるを得ないでしょう。逆に、この予算を礼賛するばかりでは、新たな取組にはつながりません。
私はと言えば、今回の予算をいかにしてセーフティネットとして機能させるか、仕組みの改善を提案したいと思います。都の職員との意見交換は重ねていますが、2/26の一般質問当日までは内容は控えさせてください。
お時間ある方は、インターネット中継をご覧いただけましたら幸いです。
私の質疑は2/26(金)の17時過ぎになる見込みです。
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