東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・40歳)です。
3月7日までの緊急事態宣言
1都3県に発出されている緊急事態宣言は「3月7日」までとなっています。しかしながら、国も東京都も医科学的視点からの専門家は「延長」を表明しています。菅総理もかなり苦慮されているものと推察します。首都圏を除く6府県については予定より早めて3月1日解除となりました。2日以降、昼・夜の人流がどうなるのか繁華街対策なども含めて見守る必要があります。併せて、今回の早期宣言解除を決定した際に菅総理が会見を開かなかったとマスコミなどは責め立てました。1日に辞職された山田広報官隠しではないかという趣旨です。
ただ、宣言解除の視点で冷静に事態を見つめている私からすると、そんな事ではないように思えます。私は結果として、政府諮問委員会の尾身茂会長と西村担当大臣との距離感が会見をやるまでの調整に至らなかったのではないかと考えるものです。尾身会長は早期の宣言解除には慎重の姿勢で、最後まで西村大臣とはハードなやり取りをされていました。「医療提供体制の逼迫=救える命を救えなくなるかも?」という前提で発出された宣言ですから、医療分野からの視点であれば当然の指摘とも言えます。
制度設計は大丈夫か
しかし、一方で経済活動からすれば、コロナに罹る前に経済苦における「救える命」をどうするかという大きな課題を持っています。特に、皆さんご承知の通り、現在の営業時間短縮要請に対しての協力金は1日あたり6万円ですが、これは飲食店に対してだけです。その他もかなり経済的には大打撃を受けています。ちなみに、原資ですが2月7日以降は国負担が80%から99%になりました。つまり、実際に支払いをする都の負担は1%です。1日あたり600円です。それならば、小池知事や東京都執行機関には、より幅広く制度と制度の狭間で苦しむ事業者を救う都独自策を展開すべきだと提案しています。
とにかく、お分かりのように右手に医療問題、左手に経済問題を抱えているコロナ禍では、どちらも重要な問題で、選挙を意識する政治家はどちらも選択しにくくなります。ならば、どちらも十分な体制を敷けば良いと考えますが、それが出来れば苦労しないだろと、私にアンチの方からは直ぐにメッセージが飛んできます。そして、私は一年間、コロナと向き合ってきたからこそ、まだまだ手を打つべきところがあると踏んでいます。
でも、これを成し遂げるには、政治家の色、役人の文化、マスコミの報道なども大きな壁ですが、乗り越えなくてはなりません。小池知事の所にも、当然各議員のところにも様々な意見が寄せられています。その上で、正しいと思う道を進んでいくしかありません。最後に、泥を被って決断するのは政治家の仕事です。
首都圏知事は自分たちの責任で
1都3県の知事達は1月2日に西村大臣と会談し、宣言発出を強く要請しました。前述のように当初は2月7日まででしたが、延長されて今の期限は3月7日です。様々な街場の方が早期解除を臨んでいます。しかしながら、小池知事も自ら「終了」「延長」どちらの見解にも踏み込んで発言しません。私は論拠を明確にした上で、どちらかを宣言するべきだと考えています。これが正に政治家の使命です。その上で、国と交渉のテーブルにつく必要があります。全ての判断を国と言うならば、最初から宣言発出も国にお願いしなければよかったのではないだろうか。
私はあくまで飲食店以外の各事業者へ幅広く協力金を支払えなければ3月7日に解除すべき。しかし、医療体制確保は必要なので、第3波の課題は全て整理しておくことを必須と考えています。また、飲食店を利用される国民、都民の皆様にも利用者としての行動指針を示すべきとも思います。
東京都の対策を検証すべき
事前対策やらないで「先週の日曜が270人台で、今日は増えている。下げ止まりどころか、残念ながら増えている。報道されているように、人の流れも増えております」と小池知事が第三者的にコメントするのにも違和感があります。時短要請に応じない都内34店舗に罰則が最終的に適用される特措法45条に基づく強い要請が出されました。
私は、お店が悪い、外に出歩いている人が悪いと指摘する東京都の姿勢は対症療法であり、原因療法になっていないと思います。純粋に、専門家と1都3県の皆様のリスクコミュニケーションが足りないと思います。少なくとも、出口目標は明確になっていたわけですから、知事として4知事がそれぞれの見解を述べる必要があると考えるのは私だけではないはずです。
パフォーマンスは自分達、責任は国という無責任な政治から首都圏が脱却できるかが問われていると考えます。